将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント2回戦第4試合、チーム渡辺とチーム天彦の対戦が9月3日に生放送された。ともに1勝1敗で迎えた第3局は、チーム渡辺・渡辺和史五段（27）VSチーム天彦・梶浦宏孝七段（27）の“幼馴染み”対局に。ともに本戦初出場同士の対決を渡辺五段が勝利して、チームに2勝目を持ち帰った。
「小学生の頃から指している」という両者が、初めてのABEMAトーナメント本戦を舞台で相対した。現在でもVS仲間とあり、互いの手の内は知り尽くしている。渡辺五段は「緊張を力に変えて頑張りたい」、梶浦七段は「自分の全力を出せるように集中したい」と意気込んだ。
先手の渡辺五段は雁木、梶浦七段は矢倉の出だしとなった。丁寧な駒組みを経て、▲4五歩から開戦。後手も△6五歩と応じて激しい攻め合いとなった。渡辺五段は巧みに銀を取らせたところからペースを握り、優位に立った。しかし、梶浦七段も簡単には崩れない。力を溜めて一瞬を隙を狙ったが、渡辺五段が▲2三銀から押し切り、勝利を掴んだ。
幼馴染み対決を制した渡辺五段は、「駒がぶつかった直後は失敗気味かなと思ったが、中盤で好転したかなと思った。チームとしても1勝リードできたので、もっともっと盛り上げていきたい」と柔らかい笑顔を見せた。一方、敗れた梶浦七段は「攻めてるところは調子良いと思ったが、うまく噛みつかれてしまった。弱さが出てしまったと思う。気を取り直して頑張りたい」とコメントした。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
