将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント準決勝第1試合、チーム永瀬とチーム稲葉の対戦が9月10日に生放送された。スコア1-1で迎えた第3局は、絶好調の服部慎一郎四段(23)がリーダーの永瀬拓矢王座(30)から金星を奪い、2-1とリードを奪った。
公式戦を含めて初手合いの両者。勢いのある若手との対戦に、永瀬王座は「指したことがないのでどういう感じになるのか…」と警戒した。第2局に続いての連投となる服部四段は「将棋が指した過ぎる」とタイトルホルダーとの対戦に胸を躍らせていた。
戦型は「角換わり」に。先手の永瀬王座は腰掛け銀、後手の服部四段は腰掛け銀に構えた。服部四段は勢い良くぶつかり、永瀬王座に勝負を仕掛けていく。解説の村中秀史七段(41)は、「崩れないようにバランスを保つのが難しい、技術のいる将棋。ただし、永瀬王座はその感覚が棋界一」と、先手が得意な展開に持ち込むことに成功した。
そのまま押し切るか、と思われた終盤戦で抜け出したのは服部四段。息をひそめていた後手が4六角から一転、優位に立った。玉を中段に繰り出し、永瀬王座の攻撃をことごとくかわし続ける。こうなっては永瀬王座もお手上げ。服部四段が圧巻の勝負術で大きな2勝目を掴んだ。
連投で2連勝を飾った服部四段は、「楽しみにしていたので、あっという間の時間だった。終盤は無我夢中でよくわからなかった。そろそろリーダー(稲葉陽八段)が出てもええんちゃうかな?と思っています(笑い)」とノリノリだった。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)