将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント準決勝第1試合、チーム永瀬とチーム稲葉の対戦が9月10日に生放送された。スコア2-2で迎えた第5局は、待望のリーダー対決に。本日初登場の稲葉陽八段(34)が永瀬拓矢王座(30)に勝利し、再び3-2とリードを奪った
5局目にして、ファンお待ちかねのリーダー対決が実現した。公式戦では過去8戦。永瀬王座の6勝、稲葉八段の2勝と永瀬王座がリードしているものの、直近2戦は稲葉八段が連勝を飾っている。稲葉八段は、本局がこの日の初戦。予選から通しても5戦目だ。勢いのある若手チームメイトを全面に繰り出す作戦で「省エネ」との声も上がっていたが、準決勝まで進出してきただけに戦略家としての印象が強くなった。
ともに順位戦A級、竜王戦1組のトップクラスに所属。永瀬王座の先手番で、戦型は「角換わり」となった。後手は3三金型の最新形に構え、攻撃の姿勢を示した。永瀬王座は「そろそろリーダーとして1勝を挙げないと、まっすー(増田康宏六段)の笑顔が見れない」と厚い信頼を寄せるエース増田六段を思い、奮起。深い研究を元に、ペースを掴んだかと思われた。一方、稲葉八段は「あまり見たことがない形」という銀4枚で玉を囲い、永瀬王座の攻撃に対抗。この囲いが「玉が堅くなってチャンスをつかむことができた」と功を奏し、チームに勝利を持ち帰った。
この結果に、視聴者は「やっぱり稲葉」「強い」「これは何人乗っても大丈夫だわ」「仕事人すぎる」「頼りになりすぎるやろ」と大興奮の様子だった。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)





