稲葉陽八段、貫禄勝ち!“パッション”斎藤明日斗五段を破り、チーム稲葉が決勝進出決定/将棋・ABEMAトーナメント
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 将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント準決勝第1試合、チーム永瀬とチーム稲葉の対戦が9月10日に生放送された。チーム稲葉が4勝2敗で迎えた第7局では、稲葉陽八段(34)が斎藤明日斗五段(24)に勝利。初の決勝進出を決めた。

【中継】決勝進出をかけた熱い戦い チーム永瀬VSチーム稲葉

 チーム稲葉は勝利に王手、チーム永瀬はカド番で迎えた第7局。運命の一戦は、先手の斎藤五段得意の「相掛かり」の戦型となった。2回戦を魂のこもった将棋でチームに勝利をもたらし、リーダーの永瀬拓矢王座(30)から「パッション明日斗」と名付けられた斎藤五段。「序盤は想定していた形。やってみたい変化だった」と勢いのある指し手で稲葉八段に猛攻を仕掛けた。

 しかし、相手は名人挑戦経験を持つトップ棋士。斎藤五段がペースを掴んだ苦しい場面でも「斎藤さんの情熱に押されたが、苦しめのところで粘り強く指したのが良かった」と辛抱を実らせた。斎藤五段は▲5三角成と勝負手を繰り出すも、稲葉八段は動じず。解説の村中秀史七段(41)も「△4一玉と引いたのが冷静だった。さすがA級棋士、という一手」とコメント。最後は詰みに討ち取り、稲葉八段がリーダー自ら決勝進出を確定させた。

 準決勝は2戦2勝。勝負所できっちりとリーダーとしての仕事を果たした稲葉八段は、「チームメイトが負けてしまった時もお互いに鼓舞して、チーム戦らしく戦えたことは大きいことだし嬉しい」と満足げ。目標に掲げる「優勝」を射程距離に捉えた。

 一方、カド番を落とすことになった斎藤五段は「詰みに気付いていなかった」と悔しそう。しかし、これまでの激戦を振り返り、「永瀬さんと増田さんと長い間時間をともに過ごせたことは貴重な半年間だった。自分の実力も当初よりは上がってきたと思っていたので、成長した姿を見せたかった」とチームメイトに感謝の思いを寄せていた。
 
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】第5回ABEMAトーナメント 本戦T 準決勝 第一試合 チーム永瀬VSチーム稲葉
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