萩原聖人「自分の言葉に責任を取る」プロ根性 最悪のシーズンからの反攻「必要じゃないと言われれば辞める」/麻雀・Mリーグ
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 人気俳優としての知名度がある分、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)のプロ雀士としての道のりは毎年、実に険しい。昨期、Mリーグでは個人成績で▲394.0の32人中31位、チームもマイナスポイントが1000を超える大敗で、レギュラーシーズンで姿を消した。チームのシンボルでもある萩原が、責任を感じないわけもない。「俺が辞めた方がいいんじゃないか」と思ったこともあったが、ファンの声援を背に、もう一度Mリーグの卓に向かうことにした。決意と呼ぶべきか、覚悟と呼ぶべきか。開幕を前に萩原は腹を括った。

【動画】プロ麻雀リーグ「Mリーグ」昨期の戦いぶり

-昨年は実に苦しいシーズンでした。

 もう忘れちゃいました。僕に関しては毎年同じような話になりがちなので非常に歯がゆいですが、去年のことを考えても意味がないんで。数字は残っていても気持ちの中では忘れています。

-「これも麻雀」というところがありますか。

 Mリーグが長く続いていく中で、どのチームでも上振れ下振れというものはあります。後は選手それぞれがそれを受け止めていくこと、麻雀の内容とかいろんなことが関わってきます。「ツイていないかった」とか周りの人が励ましてくれて、その言葉は救いではあるんですが、打っている当事者たちはそれでは終われないことがあります。「あの時こうしていれば」とか「こういう選択があったのかな」ということは、トップを取っても考えます。自分が一番勝ちに近いと思う麻雀が変わるかと言ったら決してそうではないし、僕個人の思いとかこだわりとか、そういうもので言えばやっぱり「面白い麻雀を打って勝ちたい」というところは変わっていないですね。そういう発言自体が炎上案件みたいになるんですが「マジで関係ねえ!」と思っています(笑)。

 リップサービスとか自分の本音をうまく使い分けて、無難なことをしゃべってみたりとかもあったのですが、今年は本当に本音しか言わない。人を傷つけるようなことを言うわけでもないし、あくまで自分が自分の言葉に責任を取るためにということですね。内容だったり結果だったりも含めてです。

-オフ期間のインタビューでご自身の進退について語っていたことがありました。真意をお願いします。

 成績で足を引っ張ってしまったというところもあるし、心は折れていなかったんですけど「俺が辞めた方がいいんじゃないか」と素直に思ったところがありました。誰かが責任を取らなければいけないし、それは俺しかいないんだろうなと。世の中ってそういうものだし、僕が辞めるのがベストだろうと思っていたし、僕がいるのが理想的なのかわからなくなってもいました。結果が出なかったからというわけではなくて、もっと多角的なところで物事を考えた時に、辞めた方がスッキリするんじゃないかなと考えました。

 役者をやっている中でも、必要とされなければ意味がない。シンプルにそれだけです。もちろんそこには忸怩たる思いも、ものすごくあります。 麻雀プロの世界では「勝たなければプロじゃない」という意見も出てきますが、僕の中では「何回でも負けられるのがプロ」だと思っています。アマチュアは1回負けたら終わり。でもプロは、何回も負けていく中で何を見つけられるか。必要じゃないと言われればきっぱりと辞めます。根底にあるのはやっぱりファンです。応援してくれる人から、いろいろな声が聞こえてくるし、そっちを大事にしようと思っています。

 でもわかんないですよ。去年以上負けることもありますから。「去年あんなに酷い目にあったので今年はいい目を見ますよ」なんて言う気は微塵もないです。相手はみんな強いですし、今年になったらどうなるかということを今考えても意味がない。4年かけて築いてきたTEAM雷電らしさというのもみんなで見つめ直します。みんないい歳なんでね。「面白いってなんなんだ、勝つってなんなんだ」というのを、もっと煮詰めます。

 僕は「明るく楽しく」という気持ちですね。ラスを取っても明るく楽しい時があるかもしれませんし、トップを取っても反省していることもあるかもしれない。「雷電らしさ」というイメージもありますが、それはファンの方が作ってくれたイメージ。そうじゃなくて、それぞれのパーソナリティやスキルの中で、ファンの人たちと一緒に作ってきた雷電を見せられなかったら、そこまでのチームだったんじゃないかと認識しようかなと思っています。

-5年目を迎えて、Mリーグ自体が進化してきたと思う部分はありますか。

 これは本当に難しい話で、麻雀はそもそも中国のもの。日本は日本なりに麻雀を変えてきました。今は「Mリーグ」という競技をもっとしっかり煮詰めた方がいいのではと思います。従来の麻雀から引きずられてきて、曖昧になっている部分がたくさんあります。

 麻雀を知らない人からしたら難しい・わからないから、ルールを簡潔化するということでもないです。今までのファンも「これどうなんだろうな」と思っている部分も、もう少しシンプルにしていくことはできる。それをやることでもっとグローバルにも広がりやすくなるでしょう。マニアックなところもあるので、それもなくさないように、もっともっと考えなければいけない。ルールだったりとか、麻雀というものを新しくするのであれば、「新しいって何だろう」と考えるべきですね。

 オーディエンスに対するプレゼンみたいなものは、まあまあやってきたんじゃないかと思います。「これ以上、何をする?」というところはありますね。現実的にできるところとできないところがたくさんあるじゃないですか。それぞれがもっと頭を悩ますのが、この5年目なんじゃないかなと思っているんですけど、僕もあんまりよくわからない(笑)。

 1年目は山のように取材がありましたが、今はそうじゃなくなってきてるし、固定した、安定した部分があります。そこからさらにもうちょっとと考えた時、曖昧なルールをどうするかとか、たとえば何かペナルティーの厳罰化が必要かなど考えますね。生放送でやるとして午後7時から始まって11時に終わるというのは、エンターテイメントとしてはダメな気もします。少年少女たちにも見てもらいたいんだったら、11時までは見せずもっと早く終わろうとかです。もっともっとMリーグが広がるためには、やらなければいけないことがあるかもしれないし、そしてまた創造したいんですよ。来年、再来年、5年後、10年後というのを見据えないといけないです。

 放送時間の話だと、後からアーカイブで見られる時代だからそれでいいんだという人もいますが、何が大事かと言えば「次の日、学校で話題にする」ことです。試合を見て「昨日の誰々のあれがすごかったよね」というのをやるのが、たぶんいいんですよ。個人が後でアーカイブを見て「あー楽しかった」では、やっぱり広がりは狭まります。

-Twitterのトレンドに上がると「今、みんなが見ている」感じがあります。

 絶対そうですね、プロ野球だって昔みたいに地上波でやっているわけではないですが、やっぱり優勝が近づいてきたとか、大事な試合はみんな注目しますよ。僕はMリーグを、風呂敷を広げてプロ野球やサッカーに負けないようなエンタメ競技にしたいと言っていますけども、まだ足元にも及んでいないです。そういう意味では、いいお手本が世の中にはあって、僕はそういうところからいいとこ取りをしたっていいと思います。せっかく育ってきたMリーグです。遠い未来にどんな答えが出るのかという準備をした方がいいんじゃないかなと思います。

-最後にシーズン前の目標をお願いします。

 最後まで健康で打ち切ることです。「優勝する」とか「勝つ」とか言えばいっぱい出てきますが、心身ともに無事シーズンが終えられた時に、自ずと答えが出るシーズンになると思います。

※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会

◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合(全188試合)。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各20試合・全30試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(16試合)に進出し、優勝を争う。優勝賞金5000万円。

ABEMA/麻雀チャンネルより)

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