「去年は麻雀人生で最悪。今年が一番恐怖」どん底を見た村上淳がそれでも失わない自信/麻雀・Mリーグ
番組をみる »

 Mリーグ史上、個人としては最もつらい日々を過ごした選手かもしれない。2021-22シーズン、赤坂ドリブンズの村上淳(最高位戦)は、まさかの4連続箱ラスという大不振に陥った。運も勝敗を大きく左右するゲーム性だが、全てが悪い方に流れ、チャンスと思われたシーンでも相手の当たり牌を掴んでは放銃、というシーンがいくつもあった。「去年は麻雀人生で最悪でした」と振り返りたくもない年だったが、それでも村上は前を向いて新シーズンを迎える。「今年が一番恐怖」と、2年連続で大敗すればMリーガーでいられなくなるという強い自覚を持ちながらも、強者と呼ばれる選手たちと肩を並べる雀力があるという自信は失っていない。

【動画】プロ麻雀リーグ「Mリーグ」昨期の戦いぶり

-今年も開幕が近づいてきました。心境はいかがですか。

 今年が一番、恐怖を感じています。シンプルに負けたら、もうMリーガーでいられなくなるかもしれないんで。もちろん毎年、契約してもらえない可能性はあるんですけど、今年が一番ありますね。

-昨年チームはファイナルに行けず、今年逃せば規定によりチームの構成が変更になります。

 まさにそうですね。去年の成績もそうですし、今年の成績いかんでは5年目になるMリーグとも、もしかしたらおさらばしないといけない可能性が高い。今年が一番高いなという気持ちが、恐怖心を芽生えさせてるんだろうなとは思います。

-昨期は実に厳しいシーズンでした。

 去年は麻雀人生で最悪でした。初年度もドリブンズの足をものすごく引っ張っちゃったんですが、それでも▲160でした。それが去年は380ポイントくらいマイナスをしました。もちろん、数字だけではないと思いますけども、とはいえ個人成績がチームの合計ポイントなんで、本当にチームメイトやチーム関係者やファンの方に申し訳ないです。謝ってもしょうがないんですけど、本当に申し訳ない、すみませんという気持ちが一番ありました。今まで26年くらい麻雀プロをやってきて、個人競技の時は負けてもそんな気持ちはなかったんですけど、やっぱり去年はしんどいというか、精神的にきつかった。あんな思いはもう二度としたくないなと思いますね。

-個人プラスの時より、個人マイナスの時の方がチーム戦だと強く思いますか。

 道連れにしちゃってるというもどかしさがありますね。「個人競技だったらよかったのに」と思いますけど、ただそれが面白さでもあるんでしょうね。

-他のチームメイトの方々は、結果によって何かチームとして変えることはないということでした。

 そうですね。結構Mリーグルールでの勉強会もやっていますし、いわゆる強い人、たとえば多井隆晴さんとかとはずっと勉強会をしています。麻雀の強いと言われている人たちと、ひたすら打ってるんですよね。そこで全部負けていたらたぶん考えるんですけど、麻雀は勝ったり負けたりするし、なんなら勉強会は結構、勝てているんです。だから同じようにやるしかないだろうと、自分の中では結論が出てますしね。もちろん本当に細かい、相手に合わせて少しだけバランスを変えるとか、普段やらないことをちょっと織り交ぜてみるとか、そういうことはいくらでも変えようがあるんですけど、軸になる部分は変えたら余計に負けるだけだと思うんで。練習以上のことは出せないってみんな言うんで、それを信じて練習でやったことを本番でもしっかり出すしかないんだろうって思っています。

-オフシーズンに後輩の丸山奏子さんとYouTubeのチャンネルを始めました。丸山さんの印象はいかがですか。

 プロ2年目でMリーガーになるなんて今後、現れないと思いますし、もうたぶん二度といない逸材です。最初の年はいろいろ苦労したと思います。控室で泣いていましたし。でも今は全く泣くこともないし、麻雀自体が本当によくなっていると感じます。練習会もやっているんですけど、成績が向上しているんですよね。あと去年はリーグ戦で、ポコポコと落ちちゃったんですが、今年は勝っていますし、女流リーグも普通のレギュラー戦も勝っています。タイトル戦もファイナルは行っていないけど、初日・2日目は勝つことが続いていて、明らかに強くなっていると思うんです。なんなら、一番伸びた女流は奏子なんじゃないかと。その分が今年に出れば、かなりいいですね。YouTubeは、もともとは前から(園田)賢ちゃんと(鈴木)たろうさんもやっていました。1年以上前からなんかやりたいけど、俺はどうせ1人でやることはないからと話はしていて「じゃあ一緒にできることがあればいい」と麻雀王国さんとかとしゃべってたりはしていたんです。ただ麻雀王国さんは基本的にドリブンズのYouTubeをやっているんで、パートナーを探していました。たまたま知り合いで映像の仕事をしている方がいて、そこで奏子を紹介したら気が合ったので、とりあえずやってみようかと。その寸前に神域リーグの話もあって「じゃあYouTubeがあった方がいいんだ」ということで、必要に迫られたというのもあります。もともと僕はパソコンが苦手だし買うつもりもなかったから、気乗りしていたわけではないんですけど、奏子がいるし神域リーグで必要だしとりあえず始めてみようかみたいなノリで、スタートしました。

-実際にやってみてどうですか。

 大体思った通りと言いますか。月に1~2回あったらいい方だし、あんまり収録もしていないんですけど、それぞれ仕事があって、中の人にも仕事があるから、そんなに頻繁にはアップできなくて、ゆるく続けばいいのかなと思っています。ただ、レギュラーシーズンが始まったら、振り返り配信は奏子のためになるし、見て喜ぶファンもいると思うので、それはやりたいねって話はしていますね。

-丸山さんがドリブンズに入られたころから、村上さんが指南役を続けてこられました。

 どうやって麻雀の話をしているのかとかですね。僕の場合は指導というかアドバイスになるんですけどね。「こういう考え方もあるよね」みたいな。どうやって判断するかを興味ある方はいると思うんで、それはもともと最初にそれだけはやりたいと言っていました。奏子も初めてパソコンを買って苦戦中なんで、そんな上手くできるかわからないですし、できなかったとしても僕はYouTuberになりたかったわけじゃないから。麻雀が本職で、Mリーグ機構として「この熱狂を外へ」というスローガーンを掲げているので、その最たるものはYouTubeだと思うんですよね。僕らが外に発信できる方法としてはYouTubeが一番手取り早いというか、触りやすいといいますか。あまりドリブンズはそういう活動をしてこなかったので、そこは続けたいなとは思っています。

-不調に打ち勝つためにシーズン中、何かすることはありますか。

 やっぱり何もないですね。結局、麻雀って勝ったり負けたりするし、(最高位戦)Aリーグも1回降格したことがありますし。その時は本当に下手だったんですよ。ただ去年Mリーグで負けた時に、ここからもっと負ける打ち方をしたかって言うと、そんなことはなかったと思います。毎回2回くらいずつ見返して「うん、やっぱりこれはこうするよね」って感じで、読みもそんなに外れてなかった。変えないことが大事というか、淡々と、負けたとしても「しょうがないよ、運命じゃん」と諦めの境地も必要だと思うんですよね。だって、勝ちたいと思っても勝てないゲームですから、麻雀は。そういう風に割り切って、変なことをして「なんで俺、こんなことしちゃったんだろう」というのをしないように。あとは見落とし。あの手出しを覚えていればこうだったのに、みたいなのをないようにとにかくひたすら努めて、淡々とミスなく、今まで通りしっかりと打つというだけです。

-新たに3人のMリーガーが誕生しました。

 今回新しく入った3人は、全員プライベートで付き合いがあるんですよ。練習のセットとか勉強会もしたことあるんです。なので、たとえば連盟所属の方で、まだ麻雀をしたことがない人もいると思うんで、そういう人に比べたら、こっちの方が有利ですね。(仲林)圭君とかは同じチームでチーム戦をやったりもしました。恐怖みたいなものは3人に対してないですね。でも、強いですよ。強いから恐怖ですけど、何をやってくるかわかんないとか、読めないということはないんで、他の選手よりちょっと有利。ドリブンズはきっとみんな、あのあたりと仲がいいんで、ちょっと有利かなとは思いますね。

※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会

◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合(全188試合)。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各20試合・全30試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(16試合)に進出し、優勝を争う。優勝賞金5000万円。

ABEMA/麻雀チャンネルより)

【動画】プロ麻雀リーグ「Mリーグ」昨期の戦いぶり
【動画】プロ麻雀リーグ「Mリーグ」昨期の戦いぶり
【動画】プロ麻雀リーグ「Mリーグ」昨期の戦いぶり