将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメントの決勝、チーム稲葉とチーム斎藤の対戦が9月24日に生放送された。第1局をチーム稲葉が先制して迎えた第2局は、第1局で勝利したチーム稲葉の服部慎一郎四段(23)がチーム斎藤・佐々木勇気七段(28)に勝利。個人2連勝で、一気にチームを優勝に近づける大仕事を果たした。
【中継】第5回ABEMAトーナメント 本戦トーナメント 決勝戦 チーム稲葉VSチーム斎藤
早指しの忍法が効果抜群だ。第1局、受け巧者・木村九段との激戦を制して波に乗る服部四段は、居飛車党の本格派・佐々木七段と後手番から角換わり腰掛け銀の将棋に。佐々木七段のエース戦法ではあるが、これに対して服部四段は序盤から中盤にかけて、研究範囲ですと言わんばかりの早指しを見せ、佐々木七段の残り持ち時間が1分を切るあたりでも、まだ5分以上残すほど、時間で大差をつけた。
形勢でも中盤からリードを奪い始めると、解説を務めたレジェンド森内俊之九段(51)からも「おそらく服部さんは研究でしょう。いやー、服部さん強いな」と驚きの声が連発。有利、優勢になった後も全く隙を見せない将棋で終盤まで華麗に攻め切り2連勝を飾った。
対局後、服部四段は「昔流行った将棋をやってみたかったです。一局通してはよくわからなかったです。前例が結構ある局面で、後手も手が限られているのかなと」と、想定内の戦いだったと告白。充実した表情で「なんとかチームに白星を2つ持ち帰れてよかったです」と語っていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)