将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」本戦トーナメント決勝が9月24日に行われ、チーム稲葉が5勝1敗でチーム斎藤を破り、初優勝を飾った。斎藤慎太郎八段(29)率いるチーム斎藤は惜しくも敗れ、準優勝。木村一基九段(49)は、個人で2年連続準優勝だった。あと一歩頂点には届かなかったが、「悔しい思いは残るけどとても良いメンバーに巡り合えた。ありがとうございました」と目に涙を浮かべていた。
チームの精神的支柱として、盤上でも、チームの雰囲気作りでも大活躍を見せた木村九段。チーム斎藤は、苦境からフルセットの大熱戦など、全15チームの中で最多となる6試合47局を戦った。前年は自身が率いるチーム木村で準優勝。今期はチーム斎藤のメンバーとして優勝は命題だったが、決勝戦では個人2戦2敗。チームとしても1勝5敗という結果に終わり、「悔しい…悔しいです」と声を詰まらせ目に涙を浮かべていた。
しかし、ふっと息をつくと勝負師の顔から一転、優しい表情に。「(斎藤八段がドラフトで)指名してくれたのがとても嬉しくてね。まあオジサンですから、とにかく足手まといにならいようにということばっかり考えていたんですけど、最後にこうなっちゃった…。そこが、悔いが残ります。最後の悔しい思いは残るけど、全体を総じていえば楽しかった。機会があればまた出たいですし、とても良いメンバーに巡り合えた。ありがとうございました」。リーダーの斎藤八段、2年連続でチームメイトとなった佐々木勇気七段(28)へ、感謝の言葉を口にした。
約半年間の激闘を見守り続けた視聴者は、この木村九段の名文句に心を打たれた様子。「泣ける」「おじおじ泣かないで~」「えーーもらい泣きしちゃう」「こちらこそありがとうございました」「これぞ団体戦」「またこのチームで見たい」「良かったよ、このチーム」「悔しがる姿もかっこいいぜーー」「おじおじ大好き」と多くのコメントが寄せられていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)