日清食品はなぜ麻雀「Mリーグ」に協賛したのか「食と運動は両輪。頭脳スポーツを応援」斬新企画も次々ヒット 社史にも残る雀荘との長い付き合い
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 2018年に発足したプロ麻雀リーグ「Mリーグ」に、2021-22シーズンから「日清食品」がスポンサーとして名を連ねた。世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を筆頭に数々のヒット商品を世に送り出しており「カップヌードル」「日清焼そばU.F.O.」「日清のどん兵衛」など、老若男女を問わず、一度は食べたことがあるだろう商品がたくさんある。そんな日清食品が、Mリーグの誕生によって大きくイメージを変えつつある麻雀業界に注目。むしろ同社と雀荘の付き合いは古く“再注目”と言った方が的確かもしれない。昨年はMリーグとのコラボで、次々と斬新な企画を麻雀ファンに届けた担当者に、なぜMリーグに協賛したのか、麻雀のどんなところに魅力を感じたのか、話を聞いた。

【中継】Mリーグ2022-23シーズン開幕式&開幕戦

 「チーホー出たらユーホーあげる」「地和(チーホー)を和了(アガリ)した選手に、日清焼そばU.F.O.一生分プレゼント」。2021年10月4日、昨年のMリーグ開幕日、こんなフレーズがファンの目に飛び込んできた。同年からスポンサーとなった日清食品が、ファンに向けていきなり強烈なアガリを決めた瞬間だ。役満の中でも出現率が非常に低い役満・地和を成し遂げるのは大変だが、その“ご褒美”が1年分ならぬ一生分。果たして何食分になるのかと、にわかに選手や解説者、ファンの間で大きな話題になったのは記憶に新しい。あっという間にMリーグファンの心を掴んだ戦略を考えた、日清食品ホールディングス宣伝部の酒元陽平さんは、スポンサーになる経緯をこう振り返った。

 酒元陽平さん(以下、酒元) 大学時代、私自身も雀荘に行っていて、当社のカップ麺をいろいろ食べていました。カップ麺は、お湯を入れるだけで温かいものがすぐ食べられるということで、長時間の対局の中でも、すごく便利なアイテムです。日清食品が麻雀ファン、Mリーグファンにすごく身近に、親しみを持ってもらえるようにと協賛を決めた次第です。

 過去、日清食品が麻雀関連のイベントなどに協賛した実績はなく、同社としては初の試み。社内調整も難しかったのではと想像されるところだが、特に反対意見は出なかったという。

 酒元 社内の反応でネガティブな印象は全くなく、むしろMリーグを見ている人がたくさんいたんです。スポーツとしての麻雀と捉えてくれる人が多数だったので、決めるにあたってこれといった苦労はなく「流行っているのでぴったりだよね」という感じでした。弊社内では「食とスポーツは健康を支える両輪である」という話もあり、応援する企業風土もあります。麻雀も「頭脳スポーツ」として捉えています。

日清食品はなぜ麻雀「Mリーグ」に協賛したのか「食と運動は両輪。頭脳スポーツを応援」斬新企画も次々ヒット 社史にも残る雀荘との長い付き合い

 体を動かすスポーツだけでなく、近年であればゲームで競うeスポーツにも協賛しているからこそ、Mリーグへの協賛にも大きな支障はなかった。

 スポンサー1年目から、その企画力で実にうまくMリーグに溶け込んだ。地和企画に続いて送り込んだのが、公式実況・日吉辰哉の熱血トークと絡めた企画だ。実際の試合の実況中に、日吉が何回「メン(麺)」と発言したかをカウント。「すべてのメンにありがとう」と題した動画はYouTubeで公開されるとダイジェスト版、1試合フルver.ともに、瞬く間に拡散した。さらには、オリジナルの麻雀牌を作成し、呼び方まで変えたものでMリーガー4人が対局する「麺麺位決定戦」という企画も実施。これもまた反響を呼んだ。オリジナルの「日清牌」は現在、「カップヌードル」のキャンペーンプレゼントになっている。

 酒元 あまり広告と捉えられてしまうのも、違うかなと思いました。「日清食品が入ってきて楽しくなった」と思ってほしいですね。ファンの方にすごくわかりやすい企画を、今後も考えていきたいです。社内で一緒に企画を考えてくれるチームも、麻雀好きばかりで構成しています。麻雀好き以外の人には「あんまりわからなくてもいいかな」くらいの勢いで企画を作っていま。社内でプレゼンをした時も、麻雀を知らない人がぽかんとするような企画ばかりでしたから(笑)。麻雀が好きな人はとことん好きなイメージで、奥行きの深いコンテンツだと思います。

 「広告」と考えれば、文字通り広く伝えたくなるが「麻雀」「Mリーグ」というファンに向けてであれば、むしろ局所的に反響が出る方がヒットする。選手やMリーグの公式Twitterでも告知されたこともあり、ファンの間で伝わるスピードも実に早かった。企画の反響は社内でも話題になった。日清食品として多方面でスポンサーを務めているが、酒元さんはこんな会話を聞いた。

 酒元 いろいろなスポンサーをさせていただいていますが、周囲から「『スポンサーしてたね』と声を掛けられるのがMリーグ」と、上司が言っていたんですよ(笑)。Mリーグがどんどんメジャーになっているからだと思いますので、さらに成長してほしいですね。日吉さんの「メン」の動画も、ファンの方から「地上波のCMでやってくれ」という声もいただいたので、そういう日が来るといいですね。

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 これだけ日清食品が麻雀に対してポジティブなのも、歴史的な背景がある。酒元さん自身が経験をしたように、雀荘で食べるものとして、カップ麺は長く置かれ続けていた。店員が調理することなく、お湯を入れるだけで提供できる商品は、実に便利だからだ。

 酒元 社史を振り返ってみたら、雀荘に対して「カップ麺を置いてほしい」と営業をかけたことがある、というのを見つけたんです。昔から雀荘にはぴったりだと、売り込んでいたんだと思います。私はいつも行く雀荘に「日清焼そばU.F.O.」が置いてあったんですよ。だから「雀荘=焼そば」のイメージがあって、最初の企画はこの商品にしようと決めていました。汁もないのでゴミも捨てやすいし、隣の人が食べていると、無性に食べたくなりますよね。

 Mリーグは今期で5年目を迎えるが、選手たちが各種メディアに露出する機会も増えた。たとえば「最速最強」の異名を持つ渋谷ABEMAS・多井隆晴は、小学館の漫画誌「月刊コロコロコミック」に登場した。また昨期のMVP、U-NEXT Piratesの瑞原明奈は、クイズ番組「東大王」に出演もした。

 酒元 私の近くでも渋谷ABEMASの人気はすごくて、ファンクラブに入っている人もいます。多井さんは話がおもしろいですし、ファンと同じ目線で話してくださるので、すごく親しみやすいです。女性の選手では、KADOKAWAサクラナイツ岡田紗佳さんはモデルとしても活躍されていますし、いろいろな部分で麻雀の活性化に貢献されているんだなと思って見ています。麻雀も、今では若い人もたくさんされていますし「麻雀=Mリーグ」という認識も広がっていると思います。

 開幕を間近に控えた2022-23シーズンでも、前年同様、もしくはそれを上回るような企画を検討しているという。最後に同社の商品で、麻雀中に食べるのにおすすめの一品を聞いた。

 酒元 「日清カレーメシ」です。こちらはお湯を入れるだけで、おいしいカレーが食べられる。カレーのにおいをかいだら、食べたくなるじゃないですか(笑)。

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【動画】プロ麻雀リーグ「Mリーグ」昨期の戦いぶり
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