将棋の第35期竜王戦七番勝負第1局が10月7・8日の両日、東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で行われ、初防衛を目指す藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が挑戦者の広瀬章人八段(35)に敗れ、シリーズ黒星発進となった。第2局は10月21・22日の両日、京都府京都市の「総本山 仁和寺」で予定されている。
前期、無敗でタイトルを奪取した絶対王者・藤井竜王が手痛い黒星を喫した。挑戦者の広瀬八段は第31期竜王。4期ぶりの復位を狙い、この七番勝負にかける思いは強い。振り駒の結果、先手は広瀬八段に。「角換わり腰掛け銀」の出だしから、激戦へと展開した。
先に抜け出したのは広瀬八段だった。後手陣に強く踏み込みペースを握ると、その後も手厚い指し回しで着実にポイントを重ねていく。ABEMAの中継に出演した都成竜馬七段(32)は「藤井竜王は、読みを外されながらじわじわとリードを広げられている」と劣勢を伝えた。
藤井竜王は最後まで反撃の糸口を探るも、差を埋めることが出来ない。広瀬八段の深い事前研究と高い終盤力に終始苦戦を強いられ、静かに投了を告げた。
終局後には「勝負する順を見いだせなかった。中盤で苦しくなってしまって、際どい勝負に持ち込むことができなかった」と話し、肩を落としていた藤井竜王。次局を見据えて「第2局では内容を良くして、熱戦にできるように頑張りたいと思います」と前を向いた。
今期は、棋聖戦五番勝負と王位戦七番勝負の2つの防衛戦で、永瀬拓矢王座(30)、豊島将之九段(32)の両名に開幕局で敗れた。しかし、その後は一気に連勝を重ねて圧倒し、タイトル連覇を達成。タイトル獲得数10期の大台に乗せた。このシリーズでは、経験豊富な広瀬八段と今後どのような戦いを繰り広げるか。注目の第2局は10月21・22日の両日、京都府京都市の「総本山 仁和寺」で予定されている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)