藤井聡太竜王、鮮やか桂使いで3勝目 藤井曲線ならぬ“直線”にファン「曲線どころか滑り台」「つえーw」と大興奮/将棋・順位戦A級
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 将棋藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が10月12日、名古屋市の「名古屋将棋対局場」で行われた順位戦A級4回戦で斎藤慎太郎八段(29)に94手で勝利した。中盤以降、ミス無しで一気に勝ちを引き寄せる王者の指し回しに、ABEMAの中継に出演した中村太地七段(34)ら解説が感嘆の声を上げた。

【動画】藤井聡太竜王の巧みな桂使い

 今期のA級は藤井竜王の初参戦とあり、例年以上の盛り上がりを見せている。3回戦までに全勝者が消滅。2期連続の名人挑戦者・斎藤八段、藤井竜王も黒星を喫しており、4回戦での勝利が今後を占う大切な一局となっていた。本局は斎藤八段の先手で「角換わり腰掛け銀」の戦型に。序中盤では斎藤八段が研究手を披露するなど、積極的に攻めの姿勢を見せていた。

 大きく局面が動いたのは、長考合戦となった中盤戦。難解な展開とあり、両者ともに持ち時間をたっぷり費やして読みを深めていた。斎藤八段は、18分の考慮で後手陣の先頭に歩を突き出した。解説の戸辺誠七段(36)は、「本筋の一着に映る」と話したが、局後のインタビューで斎藤八段は「この一手でダメにしてしまった」。中村七段は「金銀の連結が良いので乱すためにやりたいところ。しかしこの2人のレベルになると、この手が敗着だったという恐ろしい手」とコメントしていた。

 藤井竜王がこの一手を見逃す訳もなく、いよいよ先手の急所でもある腰掛け銀を攻め立てる桂打ち。戸辺七段は「ここからの手は全く見えていなかった」という。中村七段も「(後手は)桂馬と歩、さらにと金があるからこそ有効になる攻め筋だった」と感嘆の声を上げていた。

 終局後、藤井竜王も「ぴったりした受けが先手にないので、難しい形なのかなと思った」と話していた通り、まさに勝負のターニングポイントとなったようだ。斎藤八段は濃密な中盤戦を積み重ねていただけに、悔しそうな表情を隠さなかった。

 ABEMAの「SHOGI AI」は“藤井曲線”ならぬ、“直線”で後手に滑り降りていく。最後は自玉の安全度を見切った踏み込みで、中村七段は「綺麗な一手勝ち。藤井竜王らしい勝ち方だった」と大きくうなずいた。熱戦を見守ったファンも、藤井竜王の鮮やかな勝利に大興奮。「つえーw」「形勢が大陸棚」「曲線どころか滑り台だった」「さいたろうも終盤の鬼だからわかってる」と多くの声が上がっていた。

 この結果で、順位戦A級は藤井竜王は3勝1敗で首位グループに。10月13日現在で、広瀬章人八段(35)、菅井竜也八段(30)が同じ3勝1敗に並んでいる。混戦を制し、挑戦権をつかみ取るのは誰か。今後も注目の戦いが続く。

(ABEMA/将棋チャンネルより)

【動画】藤井聡太竜王の巧みな桂使い
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【動画】藤井竜王がA級3勝目を飾った一局
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