10月16日、プロレスリング・ノアの福岡国際センター大会で、武藤敬司の「福岡ラストマッチ」が行われる。福岡の地で、プロレス史に残る試合を数多く展開してきた武藤敬司。その中でも、こと試合内容において最高の評価を得ているのが、1999年に新日本プロレスの5・3福岡国際センター大会で行われた、天龍源一郎とのIWGPヘビー級王座防衛戦だ。
 1999年と言えば、新日本プロレスマットが混沌としていた、まさに“世紀末”と呼べる年だった。1・4東京ドーム大会では、小川直也が橋本真也を一方的にボコボコにした通称「1・4事変」が起こり、さらに“邪道”大仁田厚が参戦。新日マットはこの二つの劇薬に揺さぶられ、話題を持っていかれていた。