街の至るところに巣を作るスズメバチ。実は10月は、1年を通じハチが最も凶暴化するシーズンだと言われている。実際に遭遇した際や、刺されてしまったときにどう行動すればいいのか。専門家に話を聞いた
これまで100回以上刺された経験を持つという、スズメバチ駆除歴15年超えの“スズメバチハンター”、みどり産業の田迎真人氏。「10月は繁殖期に入る。来年の巣作りのための大事な時期だから、防衛力を高めている。人間が知らずに近づいてしまうと、周辺をパトロールするハチに攻撃を受けてしまう」と話す。
田迎氏によると、10月は次の世代の子孫を残す新女王バチが生まれ、冬眠の準備を始める大事な時期。そのため「働きバチ」たちの攻撃性が増すという。
家の敷地内や外出先などでハチに遭遇したらどう行動すればいいのか。田迎氏は、対処法について次のように説明する。
「(スズメバチが)顔の周りに来たときに絶対払っちゃダメ。そのまま上半身をできるだけ低くして、威嚇しているハチを払わずにゆっくりと後ろへ下がる」
また、ハチに刺されてしまった場合には、「すぐに現場から離れて、まず水で患部を流して刺された箇所を絞る。“絞っては流す“という行程を何回も行えば、毒はほとんど体外に出て、痛みも腫れもほとんどこない。それから病院の方に行っていただければと思う」と述べた。
ハチを刺激してしまうと、一気に危険性が増すと話す田迎氏。自宅や外出先でハチの巣を見つけた場合「まずは行政の窓口に相談してみてほしい」と呼びかけている。
人間への危害や巣の駆除がクローズアップされることが多く、人間にとって有害にも思えてしまうスズメバチ。しかしその一方では、害虫を食べてくれる“益虫”としての側面も。そのため「うまく共存していくことが重要だ」と田迎氏は訴えた。
「農業上の害虫を好んで狩るので、結局スズメバチは益虫。本当ならば、人に害を及ぼさないような場所のもの(巣)はそのまま残して放っておいた方がいい。ある程度は共存が必要」
『ABEMAヒルズ』に出演した看護師兼タレントで昆虫食女子の一面も持つ荒川真衣は、スズメバチとの共存について「正しい理解を深めることだ」と自身の考えを述べた。
「 “害虫”と言われるけど、実はすごく益虫。小さい害虫駆除を逆にしてくれたりとか、西洋ミツバチという外来種のミツバチを捕食したり、襲ったりしてくれるおかげで、国内にいる在来種のミツバチが脅かされずに育っていくことができる」
「“虫”は気嫌いされることが多いが、正しい理解を深めてみると意外と面白い。スズメバチだったら『繁殖シーズンに入るので10月は山に入らない』『黒い服で行かない』などの知識があるだけで個々でも守ることはできると思う」
(『ABEMAヒルズ』より)
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