「恋愛教育でモテさせるのが私の使命」日本唯一の“恋愛学”が少子化対策に? 教えるのはメカニズム
【映像】「恋愛学」教授が語る“恋愛の必要性”
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 20代男性の約4割はデート経験がないなど、恋愛に消極的になっている若者たち。そんな中、日本で唯一“恋愛学”を教える教授がいる。

【映像】「恋愛学」教授が語る“恋愛の必要性”

「恋愛教育は必要」

 こう話すのは、早稲田大学 国際教養学部の森川友義教授だ。

「早稲田大学では『恋愛学入門』という授業を教えている。これは学際的で、例えば恋愛を生物学・経済学・政治学・心理学から学ぶなど、色々な角度からの研究が可能」

 森川教授が教えているのは、さまざまな分野から見た恋愛のメカニズム。さらに、恋愛教育で解決できる問題もあるようだ。

「18歳以下で出産する人数は毎年合計2000人近くになる。その中には、望まない妊娠や出産もあるはず。また、殺人事件の5%が異性関係のトラブル。このデータからも、ある程度の恋愛教育が必要である。そのほかにもさまざまな性犯罪があるので、感情をしっかり把握してコントロールすることが必要」

 大切なのは恋愛のメカニズムや感情を学び、コントロールすること。「正しい恋愛」によってトラブルが減っていくと言う。

 森川教授は「恋愛学」で実現したいことについて、次のように話した。

「私の専門である政治学の重要な課題は『少子高齢化』。現在の出生率が1.30、結婚後の出生率が1.9。つまり、結婚しない男女の増加が少子高齢化問題を導いている。そういう人たちをいかにしてモテさせて結婚できる状態にするかというのが私の使命だと考えて、この学問を始めた」

 しかし、恋愛教育といえば今年4月の内閣府の研究会で、恋愛支援のための教育に「壁ドン」が提案され、物議を醸したこともあった。

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 恋愛教育を少子化対策とつなげることで、「価値観の押し付け」と反発されないか。本当に必要な「恋愛教育」とは何か。番組に出演した森川教授に加えて、コメンテーターで弁護士の仲岡しゅん氏、MCを務める徳永有美アナウンサーの3人で議論した。

――「恋愛教育」は学生にも人気ですか?

森川「そうですね。定員が200人ぐらいのところ、一時期は1000人を超えるような応募者があった」
 

――どのような学生が受講されますか?

森川「早稲田大学なので、いわゆる“ワセジョ”と呼ばれる女性がいる。気が強いという目で見られてしまうので、少しでも恋愛の方法を学び、そこから恋愛・結婚したい人たちが多い」
 

――恋愛を“教わる”ことに関して、どう思いますか?

仲岡「教わる……それには答えがあるんですか?」

森川「テクニックを教えるのではなくて、恋愛のメカニズムを教える。例えば経済学から考えると、我々は1つの商品だから、商品を売って商品を買う。物々交換をするためにはどうしたらいいのかということは、経済学の見地から考えることができる」
 

――恋愛はもっと本能的な部分もあるんじゃないですか?

森川「徳永さんはそうかもしれないが、ある程度は計算が入っている。100点満点のうち自分が90点だとすると、90点以下の男性とは付き合わないという計算が働く」
 

――人を点数ではなかなか見られない気がする、というのは偽善ですか?

森川「考え方として『自分を高く売りたい』、あるいは『高いものをなるべく安く買いたい』。それと、恋愛も全く同じメカニズム」

仲岡「どうだろう。私はどちらかというと、パッション。別に『この人はランクが高いから狙おう』『この人はランクが低いからやめとこう』というのがあまりない。そもそも点数の付け方がわからない」

森川「パッションを感じるというのは相手に価値があるということ。仲岡さんが高く評価しているところがあり、他のところはあまり関係ないなどと、一応計算はしている」
 

――恋愛を教えることのニーズはどこにありますか?

森川「恋愛は試行錯誤。ある程度、算数や物理などのように、教えることで近道があるんじゃないか」

仲岡「私はあえてそこは試行錯誤すること自体が人間の成長につながる気がする。『何でも近けりゃいいってもんじゃないぞ』と思ってしまう」

森川「そう考えられる人がいっぱいいればいいが、コミュニケーション力の低下もある。ある程度は導いてあげなきゃいけない」
 

――高齢になったとしても恋愛にはゴールがない気がしますが、森川教授はどのようにお考えですか?

森川「結局、恋愛感情は死ぬまで続く。ましてや今の時代、50歳を過ぎてからの恋愛結婚はすごく大切。これを“シニア婚”と言う。全体の結婚の2~3%は50歳以上の人の結婚なので、そういう人たちにも恋愛の仕方を伝授したい」

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――2022年4月内閣府男女共同参画局「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会」で報告者が示した資料の中で、恋愛支援として“壁ドン”を教育に組み込む案が例示されました。当時「税金を使ってやることか?」「セクハラ」などと反発する意見がSNSに投稿されるなど議論になりましたが、何がいけなかったのでしょうか?

森川「“壁ドン”を教えるのは間違い。テクニックを教えてどうするのか。テクニックじゃなくて、メカニズムを教えないと。壁ドンも、人によってはセクハラ。そういうことではなくて、恋愛はどうやって行うものなのかを教えないと。その後にテクニックの話がくるので、ちょっと先走っちゃったのかな」
 

――2008年から授業を始めて、時代とともに移り変わることはありますか?

森川「やはり交際率は減ってきている。ただ、期末テストの時に(紙の)裏に『おかげさまで彼氏ができました』という一言があると嬉しい」

また、少子化対策と恋愛教育の関係については

仲岡「恋愛・結婚・子供を生むかどうかがリンクしない人も多いのではないか」

森川「恋愛する・しない、結婚する・しない、は自由。ただ、恋愛の仕方や『メカニズムがあること』を知るのは必要」

(『ABEMAヒルズ』より)

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