佐藤天彦九段、藤井聡太竜王が「見えてなかった」桂馬連打で逆転勝利!“藤井曲線”破る勝負術にファン「うおおお!」「ピコすげえわ」/将棋・棋王戦挑決T
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 将棋の棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメントが11月3日に行われ、佐藤天彦九段(34)が藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)に121手で勝利した。劣勢から渾身の勝負手となった桂馬の連打で逆転に成功。“藤井曲線”を破る勝負術に、ファンは「うおおお!」「逆転!逆転!」と大興奮の様子だった。

【動画】佐藤九段が“藤井曲線”を破った一局

 両者にとって、2年ぶり4度目の対戦。過去3局はすべて藤井竜王が勝利していた。本局では、振り駒で佐藤九段が先手番を持つと、「やってみたい手があった」と得意戦法「矢倉」を志向。ねじり合いとなった中盤戦では藤井竜王に大きくリードを許し、長く苦しい時間が続いた。

 佐藤九段は名人3期獲得のほか、2015年度の棋王挑戦などタイトル登場回数は6回を誇るトップ棋士。高いファッションセンスと優美な身のこなしから「貴族」の異名を持つ。しかし、対局中は一変。鋭いまなざしに加え、脇息に全体重を預けるように深くうな垂れ考慮する姿は「ぐで彦」と表現されることも。本局でもそのスタイルは何度も見られ、深い集中の様子を伺わせた。

 「お互いに攻め合って、切り返していく展開。こちらが受けに回って、どうなるかわからない展開でした」。藤井竜王がじわじわとリードを広げる中、後手の飛車に狙いを定めて佐藤九段が桂馬を連打。「スピード重視の手だった」と渾身の勝負手を繰り出した。藤井竜王は「見えていなかった」と貴重な持ち時間7分を投入。その後、藤井竜王にわずかなほころびが出て、ABEMAの「SHOGI AI」は完全に佐藤九段側に傾いた。なんとか食らいつき勝利の道筋を探った藤井竜王だったが、流れを引き戻すことはできない。佐藤九段が圧巻の終盤逆転劇を演じ切り、藤井竜王から初勝利を奪った。

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 将棋ソフト(AI)で形勢を示す折れ線グラフが緩やな曲線を描き、勝利を示す方に傾いていく様は、“藤井曲線”とたびたび形容される。本局でもそれが見られるかと思われたが、佐藤九段が“曲線破り”を披露。三浦九段は「勝ちへの執念が見えた一局。勝負手が見事に実った」と一局を総括した。ファンからも「ピコすげえわ」「藤井曲線って敗れるのね」「藤井竜王のこういう負け方珍しくない?」「すげえええw」「ちょっと震えた」「逆転!逆転!」と驚きの声が多数上がっていた。

 佐藤九段は7期ぶり2度目の棋王挑戦へ大きく前進。藤井竜王は敗者復活組へ回ることになり、“年度内六冠獲得”には黄色信号が灯った。渡辺明棋王(名人、38)への挑戦権争いは両者のほか、レジェンド・羽生善治九段(52)と新鋭・伊藤匠五段(20)に絞られている。ますます目の離せない頂上決戦。あす5日には、羽生九段対伊藤五段による勝者組準決勝が予定されている。

(ABEMA/将棋チャンネルより)

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