将棋の第35期竜王戦七番勝負第4局が11月8・9日の両日、京都府福知山市の「福知山城 天守閣」で指され、藤井聡太竜王（王位、叡王、王将、棋聖、20）が挑戦者の広瀬章人八段（35）を95手で破り、通算成績3勝1敗と初防衛に王手をかけた。角換わりの一局で、竜王経験者の広瀬八段相手に完勝。ABEMAで解説を務めた深浦康市九段を「完璧な指し回し」と感服させた。
藤井竜王の先手番で始まった本局は、「角換わり腰掛け銀」の戦型に。広瀬八段は「実戦例の比較的少ない形に誘導した。流行形からは外れていて、以前かなり研究した形だったたのでやってみようと思った」と4、5年前に流行した形へ持ち込んだ。しかし藤井竜王は、対策済みとばかりに新手を披露。深浦九段は「しっかり局面をとらえていた可能性が高い。藤井さんの対応が完璧で、底力を見た」とコメントした。
終局後、「仕掛けからしばらく前例のある展開だったんですけど、こちらが馬をつくって香車を取るちょっと珍しい形で、判断の難しい将棋だったかなと思います」と振り返った藤井竜王。敗れた広瀬八段は「封じ手のあたりで既に指しにくくしてしまった。2日目は苦しい時間が続いていました」と悔しそうな表情を浮かべた。
深浦九段は、「藤井さんの完璧な指し回し。こんなに不出来な広瀬さんは珍しいくらい。終盤の藤井竜王の寄せが速すぎて、対応できなかった印象です」と驚異の指し回しを表現した。完勝にファンも歓喜。「竜王強い！」「はー強いねー」「これぞ竜王」「防衛！防衛！」「広瀬先生は強い。でも藤井竜王が強すぎるんだ」など多くのコメントが押し寄せた。
終局後、熱戦の緊張がやや解けた藤井竜王は、取材に応じて福知山対局の印象を語る場面も。「福知山の皆さんに歓迎していただいて、市内を移動する時もあちこちに竜王戦のポスターを貼っていただいたのを見ました。気持ち良く対局できました」と感謝の言葉を述べた。さらに、市内の名産をふんだんに取り入れた豪華な昼食＆おやつメニューについては「迷ってしまうほどでしたが、選ぶのも楽しくて美味しくいただきました」と笑顔。激戦に臨む上でのパワーになったようだ。
休む間もなく対局が続く藤井竜王。第5局では4連勝で初防衛を果たすことができるか、大きな期待が寄せられるが「あまりスコアを意識しずぎずに、盤上に集中して臨みたいと思います」と若き竜王は冷静だ。次局は11月25・26日の両日、福岡県福津市の「宮地嶽神社貴賓室」で開催予定。「2週間ほど時間がありますので、コンディション整えていきたいと思います」と初防衛に視線を向けた。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
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