アガリ回数は1回だけ、それでも魔法使いと呼ばれる男の麻雀に、ファンは酔いしれた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2022-23」11月10日の第2試合は赤坂ドリブンズ・園田賢（最高位戦）が親跳満のアガリを活かして逃げ切りトップ。自身2連勝で、今期3勝目を獲得した。
試合は起家から渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）、園田、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）、セガサミーフェニックス・茅森早香（最高位戦）の並びで開始。序盤は多井がリード、園田は3着目で南場に入った。南2局1本場、園田は仕掛けてテンパイしている多井に対して、8巡目にリーチで応戦。絶好の一・四・七万待ちを、多井から七万でロン。リーチ・一発・タンヤオ・平和・赤・ドラの1万8000点で逆転に成功した。
園田の“魔法使い”の一端が見られたのは南2局2本場、12巡目に4・7索待ちで役なしのテンパイを果たしたが、これを「たまには、おしとやかに」ダマテンに。13巡目、上家から出てきた7索をチー、雀頭の九万に手をかけ、対子落としの作戦に出た。これを見たプレイヤー解説の伊達朱里紗（連盟）は「うわ、出た！九万、九万（対子落とし）ですね。リーチをかけて無防備になりたくない、親番の形式テンパイは維持して選択の余地を残したい」と説明した。
この結果、周囲は攻め込むことができず、園田の1人テンパイで流局。視聴者からは「園田マジック決まったな」「なんだこの麻雀は…」「一人聴牌という最高の結果」など、騒然とする声が上がった。
南4局は多井が跳満ツモで2着に上がり、園田は逃げ切りトップ。勝利者インタビューでは「いやあ、もう嬉しいですね、本当。ずっと辛い時期が続いていたんで」と安堵した。南2局2本場で7索チーの場面は「リーチをしてもどこかに押し返される感覚があったんで」と心中を明かして「終わってみたらあの時のテンパイ料の差ですよね」と、微差で手にした勝利の要因を喜んだ。いつものように記憶力抜群の園田に視聴者は「ほんとレベル高いわ」「プロの思考やな」「よく覚えてるなｗ」と脱帽。
アガリは強烈な1回ながら、園田らしい“魔法”と呼ばれる打ち回しで快勝。実況の日吉辰哉（連盟）はこの日の園田の活躍を“マジックアワー”と呼び、それを聞いた園田は「ぜひ、マジックアワー、いいと思います！」と満足げ。
ファンに向けては「ドリブンズ、まだまだ苦しいんですけど、まだ残り試合はたくさんあるので、必ずセミファイナル、ファイナルへ残ると信じて、僕らも頑張っていきますので、皆さんも引き続き見守っていただけたらと思います」と語り、深々と頭を下げた。早くも3勝目、最下位にあえぐチームにあって園田の孤軍奮闘が目立つ状況。今後も“マジックアワー”がたびたび展開されれば、チームメイトもそれに続く活躍をしてくれるはずだ。
【第2試合結果】
1着 赤坂ドリブンズ・園田賢（最高位戦）3万4800点／＋54.8
2着 渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）3万2900点／＋12.9
3着 セガサミーフェニックス・茅森早香（最高位戦）2万5100点／▲14.9
4着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）7200点／▲52.8
【11月10日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS ＋480.2（24/94）
2位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ＋110.8（22/94）
3位 TEAM雷電 ＋79.0（22/94）
4位 EX風林火山 ＋26.9（22/94）
5位 U-NEXT Pirates ▲74.1（22/94）
6位 KADOKAWAサクラナイツ ▲122.0（24/94）
7位 セガサミーフェニックス ▲155.4（24/94）
8位 赤坂ドリブンズ ▲345.4（24/94）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合（全188試合）。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各20試合・全30試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（16試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
