医療の労働環境の改善で問診をAI化...患者1人あたり6分程度の時間短縮に? 今後の展望に開発者「患者と医師を繋ぐツールに」

 医師の1週間の平均労働時間56時間。これは法定労働時間の週40時間を大きく超えている。

【映像】医療問題の解決のカギはAI問診?

 そこで国は、医師の働き方改革に着手。残業時間の上限など、規制を設けたが施行されるのは2024年と、まだ先の話だ。

 そんな中、この医療問題にメスを入れたのがUbie株式会社の阿部代表だ。

AI問診は、医療従事者の皆様の業務効率化。これに貢献するサブスクリプションのサービスです」

 現在も医師として現場で診療している阿部さん。過酷な労働環境をどうにかしたいと思い開発したのがAI問診だ。

「(院内で)普段の紙の問診票をタブレットであるとか、スマートフォンから回答できる形に変えようということで、電子問診票が走る。患者さんの千差万別な病状に応じて千差万別な質問、これを聞いていく形になっている」

 タブレット上でAIからの質問に回答し、問診をするというもの。しかし、この問診がAIになったことで、医師の業務短縮とどのようにつながるのだろうか。

医療の労働環境の改善で問診をAI化...患者1人あたり6分程度の時間短縮に? 今後の展望に開発者「患者と医師を繋ぐツールに」
医療問題の解決のカギはAI問診?

「本来、診察室の中で1から10までお話を聞いて、1から10まで電子カルテに書いていく。このプロセスが省略化され業務効率につながる。患者さん1人あたり6分強ぐらいの時間削減効果が得られる」

 問診の時間やカルテ作成の事務作業を簡略化することで、診療の時間を増やしたり、患者の病院滞在時間を減らしたりすることも可能になる。

 今では1100件以上の医療機関に使用されているAI問診。阿部さんは、まだまだ改良を進めている。

「まさに今拡充を続けているところではあるが、ありとあらゆる病状に対してガイドライン上の情報などを閲覧可能にすること。例えば、場合によっては患者さんが部屋から出た後にgoogleで調べるなど、適切な情報を収集して、診療上の判断をしているというのが現状。これを我々のサービス上でワンストップで提供できる機能」

 問診から病名の診断までの時間も短縮する為に、AIが詳しい情報を医師に提供できるようにしていきたいと言う。

 そして、目指すのはこのAI問診を患者と医師を繋ぐツールにしていくことだ。

「AI問診による業務効率化及び診療支援による医療現場の負担軽減。そして、患者さんと医療をつなげていくことによって、患者さんが最もよい医療を得られるよう支援していくというところが今後の展望かな。これが今後の我々の目指すところ」

(『ABEMAヒルズ』より)

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