サッカー界の発展とともに年々進化を続けてきた“分析技術”。『ABEMAヒルズ』はその最新鋭となるAIを活用した分析サービスを提供する会社を取材した。
ボールを追い、ピッチを縦横無尽に動き回る選手たち。盛り上がりを見せているワールドカップの試合ではなく、最新鋭のサッカー分析ツールの画面。その名も「Bepro(ビプロ)」。世界各国のサッカークラブがこぞって利用するAIを活用した“サッカー映像分析プラットフォーム”だ。
「これまで目で見えていたものをデータに置き換えていく。それを分析して、これまでにない情報として公開している」
こう話すのは、Beproの日本統括マネージャー・竹田英司氏。気になるシステムについて詳しく説明してもらった。
「普段中継で見ている映像に比べると、少し引きで撮っているのが特徴だ。チームのパフォーマンス改善をする際にはフィールド全体が見えた方がいい」
3台のカメラで撮影され、つなぎあわされたスタジアムの映像。ドラッグやスクロールをすることで自由自在な分析ができる。また、AIの「物体検知技術」を使うことで選手を自動的に識別する。
「サッカーでは、『攻撃』『守備』『展開』などいくつかのシーンに分かれている。例えば『シュート』を選択すると、赤側のチームがこの試合中に蹴った6本のシュートが様々な情報とともに整備される」
また、パスやクロスといった“動きの識別”に加え、選手の走行距離やスピード、さらには1対1の攻防「デュエル」の回数や成功率なども記録できるという。こうして撮影された映像は自動で編集・データ化。その分、データ分析に時間をかけることが可能になった。
「試合を分析して結果をお返しする、あるいは撮影だけを担うという単一のサービスが多い中、私たちは必要なものをすべて取り揃えて『これを使うと全部できますよ』と価値を提供できるのが大きなポイントだ」
2015年に韓国で創業されたBepro。現在は、ドイツ1部の「フランクフルト」やイタリアの「ACミラン」といった名だたるクラブも含め、約25カ国700以上のチームが利用。日本においても、約40の組織で利用されているという。
急激に進化・複雑化する現代サッカーにおいて、こうした高度な分析によって、チーム力の強化だけではなく、未来を担う次世代の育成にもつながると竹田氏は話す。
「アナリストや分析官が行う分析ではなく、“選手の目線で自分の試合を振り返る”という点に関してもいわゆる『サッカーIQ』というか、サッカーインテリジェンスの観点からも重要だと考えている。そういうものが当たり前になってくると、より賢くてうまい選手が増えてくるのではないか」
今後も利用者からの意見を取り入れた上で更なる機能のアップデートをしていきたいと話す竹田氏。技術の向上が日本サッカー界の発展につながると期待を寄せている。
「現場の人が喜ぶサービスを通じて日本サッカーが強くなる。その先でファン・サポーターの皆さんを喜ばせることができればとても嬉しい」
(『ABEMAヒルズ』より)
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