理想の上司ランキング入りも近い!?8組の師弟で“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」の予選Aリーグ1回戦・第2試合、チーム谷川とチーム豊川が12月3日に放送された。豊川孝弘七段(55)は愛弟子・渡辺和史五段(28)とタッグを組み初出場。熱戦の末、敗れて戻った弟子に対し「何も失うものないよ!」「休ませてあげる!」と明るく声をかけ労う様子に、視聴者から「こういう関係いいなー」「理想の上司です!」など大きな反響を呼んだ。
将棋界のダジャレ王が新たな顔を見せた。日頃からジョーク交じりの軽快なトークで人気のベテラン・豊川七段は、昨年度将棋大賞で連勝賞(20連勝)に輝いた渡辺五段との師弟コンビで大会初出場。オープニングから「マンモス!めちゃめちゃキンチョール(緊張)です」と飛ばしていた。一方、第5回ABEMAトーナメントで渡辺明名人(棋王、38)の指名を受け、ベスト4まで勝ち上がった経験を持つ渡辺五段は、「師匠とチームを組む貴重な機会。とてもありがたい」と落ち着いた表情を見せていた。
第1局はチーム谷川の都成竜馬七段(32)対渡辺五段の“弟子対決”に。三段リーグ時代から対局を重ねてきた両者だが、公式戦では未対戦。本局は渡辺五段の先手番で、三間飛車の戦型となった。渡辺五段は都成七段の作戦に序盤から持ち時間をたっぷり投入。その間に都成七段が抜け出し、ペースを握った。難解な中盤戦では渡辺五段が追い上げたが、都成七段が△2三角から技を駆使。粘った渡辺五段だったが、辛抱は実らず130手で投了した。
流れを作りたい初戦を落とした渡辺五段は「情けない将棋。端から攻められるのをうっかりしてしまって、そこからバランスを崩してしまった」と悔しそうな表情。肩を落として師匠の待つ控室に戻ると、豊川七段は「お疲れマンモス!」と明るい表情で出迎えた。さらに「快敗!快食!快便!失うものは何もないから、気楽に行こう!楽しもう!」と独特の声掛けで弟子を励ました。これには渡辺五段もホッとした表情に。「向こうも作戦練ってるよ!勝負に徹してる」と話し、闘争心に火がついた豊川七段は「和史、休ませてあげる!マンモス師匠がトム・クルーぞー!」と2局目に手を挙げた。
この軽快なやり取りに、視聴者も反応。「こういう関係いいなー」「優しい師匠だね」「そうそう、楽しめばいいよ!」「良い師弟だなー」、など、さわやかに弟子を励まし自ら勝ち星を奪うべく立ち上がる姿は「理想の上司です!」「こんな上司だったら働くのも楽しくなりそう」など、多くの反響が寄せられていた。
◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)