かつての戦友だからこそ、その思考はすぐに読み取れた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2022-23」12月9日の第2試合で、U-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）が下したオーラスの選択を元チームメイトの朝倉康心（最高位戦）が解説、勝利者インタビューでその内容がズバリ正解していたことが明らかになると、ファンからは感服のコメントが多数寄せられた。
南4局、トップ目のKADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾（協会）と5300点差の2着目の小林。手の内には赤が2枚にドラ3筒が1枚と、逆転の材料がある。小林は10巡目に3索ポン、カン4筒のテンパイを組み、さらに6筒を引くと、カン4筒から亜リャンメンの4・7筒に待ち替えができるようになった。しかしこの待ちに取ると、7筒の出アガリは3900点で、堀から直撃以外のロンでは逆転できない。
悩ましい選択だが、ここで解説の朝倉康心は「小林さん3筒切ります！」と打牌選択前に断言。その通り小林は3筒を切り、4・7筒に待ちを変更した。朝倉はさらに「4筒で三色ありますし、7筒ツモってもOKなんで」と付け加え、7筒が他の選手から出た場合については「見逃す人のほうが多い」とした。
直後、小林は7筒をツモってタンヤオ・赤2の4000点のアガリ。堀を逆転し、トップとなった。
小林はインタビューで「カン4筒なら誰から出てもトップ。4筒でアガれば三色あるんで、どっちを切っても4筒でアガればトップになるのは一緒で、その他にプラス要因として7筒のツモか直撃があると。特に迷わず3筒切りましたね。問題は7筒、他の人から出てアガるかですよね。3900点の加点なので、別にアガってもいいんですけど、着順が落ちる可能性が結構低かったんですよね」と説明。そして気になる結論は「見逃そうと思っていました。流局したら堀さんは伏せるはずなので、流局しても1500か3000入るだろうし、直撃かツモのチャンスはあるので。7筒2枚打たれたらどうしようかな、それでもノーテン罰符があるから見逃してもいい」と語った。
まさに朝倉の解説通り。視聴者はこのハイレベルな思考と朝倉の解説に対して「朝倉の解説通りやな」「さすがです」「そこまで考えられんわ俺なら」と感服していた。
リーグ創設年度から昨期までの4シーズンを共に戦い、考え方を共有してきた朝倉だからこそ即座に読み取れた小林の意図。朝倉はこのインタビューを聞いて「だいたい予想通りでした」と、元チームメイトの思考を組み取れたことに、喜びの表情を浮かべていた。
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合（全188試合）。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各20試合・全30試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（16試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
