「攻めずに勝った…」藤井聡太竜王、解説者の驚きの“受け将棋” ファンも興奮「心に勝負の鬼を飼っている」「勝ち方えぐいw」/将棋・棋王戦挑決二番勝負第2局
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 将棋藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が12月27日、棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定二番勝負第2局で佐藤天彦九段(34)に81手で勝利し、渡辺明棋王(名人、38)への挑戦権を獲得した。年内最後の対局で見せたのは、解説棋士から「ほぼ攻めずに勝ちましたね」との声が上がった強靭な受け将棋。圧巻の内容に、ファンからも「勝ち方えぐいw」「玉に寄らずに勝つ…」「いやーキツイっす」と驚きのコメントが殺到した。

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 王将位奪取から始まった藤井竜王の2022年。その後も保持する竜王、王位、叡王、棋聖の四冠すべて防衛を果たし、タイトル獲得数は早くも11期に達した。23日に行われた順位戦A級6回戦では、史上最速&最年少の20歳5カ月で公式戦300勝を達成。今年度も通算勝率8割超をキープするなど、その勢いは留まるところを知らない。

 そんな藤井竜王が次に照準を合わせたのが、“未踏の地”だった棋王戦だ。これまでは、2021年(第47期)のベスト16が最高。今期は初挑戦を目標に掲げて挑決トーナメントに臨んだ。ベテラン、強豪を次々に破り、いよいよベスト4へ。しかし準決勝で佐藤九段に逆転を許し、棋王戦独自ルールの「敗者復活戦」へ回ることとなった。一時は挑戦権獲得に黄色信号が灯ったものの、遠回りながら着実に勝利を積み上げ挑戦者決定二番勝負へ。勝者組優勝者の佐藤九段と再び激突した。第1局では横歩取りの将棋を、最後は藤井玉自ら相手に攻め込むアグレッシブな終盤戦を演じて完勝を飾った。

 いよいよ迎えた第2局は勝った方が挑戦権を獲得する大一番。後手の佐藤九段はここでも得意の「横歩取り」に誘導した。佐藤九段は、羽生善治九段(52)との対戦でも用いた3三桂戦法を採用し、じりじりとした序盤戦をたどった。佐藤九段も7期ぶり2度目の挑戦が命題。勝者組優勝者の意地にかけても、絶対に負けられない思いは強い。互いに持ち時間をたっぷり投入して、勝利への糸口を探った。

 後手の佐藤九段は、持久戦は難しいと判断し「ちょっと無理かなと思いつつ」も桂馬を跳ねて仕掛けた。しかし、先手が的確な対応を見せて駒得に。藤井竜王は「少しずつ指しやすくなった」と、形勢は先手側へと傾き出した。ペースを握ると、藤井竜王がそのままリードを拡大。終盤戦では佐藤九段の攻撃を一手一手と受けつぶし、ABEMAで解説を務めた森内俊之九段(52)を「形勢が良くなってからは隙のない盤石の指し回し。最後まで相手の面倒を見て勝つという今までにない勝ち方」と驚かせた。

 冷静かつ正確な受け将棋を見せ、名人3期の佐藤九段を圧倒。ともに解説を務めた佐々木大地七段からは「終局図だけ見ても、先手は堅陣が保たれたまま。ほぼ攻めずに勝ちましたね…」との感想が漏れた。

 濃密な激戦も、終わってみれば81手で藤井竜王の完勝。佐々木七段の終局直後の一言に、視聴者からは「根絶やし…」「負けない将棋…あれ?永瀬王座が憑依?」「いやーキツイっす」「ひえー」「勝ち方えぐいw」「心に勝負の鬼を飼っている」「これは辛い」「玉に寄らずに勝つ…」「攻めずに勝とは一体どういうことw」「かわいい顔して容赦ない」「トレインシミュレータを熱く語ってた人とは思えないよ…」と驚きのコメントが多数寄せられていた。

 2022年の終盤戦、棋王戦の挑戦者争いでは藤井竜王が度々精度の高い受け将棋を見せたこともあり、森内九段は「また新たな境地を目指しているのかなというような将棋で、藤井竜王の強さを感じた」とコメント。佐々木七段も「勝ちのレパートリーがまた広がりましたね」と語った。

 新年1月8日には、将棋界のレジェンド・羽生九段の挑戦を受ける王将戦七番勝負が開幕。2月5日からは渡辺棋王に挑む棋王戦五番勝負が始まるなど、正月休みを味わう間もなく重要対局が目白押しだ。2023年の藤井竜王は、どんな新しい世界を見せてくれるのか、ファンにとっても目の離せない日々が続くことになりそうだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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