8組の師弟により“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」に予選対局を前に、前回大会でベスト4だった深浦康市九段(50)&佐々木大地七段(27)師弟が集合。棋界屈指の仲良し師弟ながら「師匠はまだまだ僕のことを理解していない」と、師弟の絆を強化を目指し、佐々木七段が「弟子の良いところ当てるまで帰れません!」クイズを企画した。
深浦九段と佐々木七段の出会いは佐々木少年が11歳の頃。開幕前、深浦九段は「佐々木は小学校5年生まで心臓病で命が危ないという時もありました。佐々木は将棋によって人生のやりがいを見つけて“奇跡”を起したんですよね。だから、師弟で戦えることは奇跡。それを去年感じましたので、前回を超えるような結果を残したい」と熱い思いを語っていた。
Bリーグには藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)擁するチーム杉本の初参戦。混戦は必至あり、チーム深浦は更なるチーム力強化を掲げる。佐々木七段は以心伝心も当たり前とばかりに、「僕の良いところ」ベスト5を師匠の深浦九段に当ててもうらクイズ(?)を企画した。会心の立案ながら、師匠は「大地の良いところって、ある?」とバッサリ。不安は的中し「長期戦か…」といった不穏な空気も流れていた。
両者の回答がなかなかかみ合わないところで、佐々木七段が「逆に悪いところは?」と問いかけると、深浦九段は『待ってました!』とばかりに指折り「師匠の将棋を見ない」「LINEをすぐに返さない」「絵が下手」「歌が下手」と“猛反撃”。師匠の攻勢に佐々木七段はタジタジになったものの、ファンからは「ただのイチャイチャ動画じゃないか!」「仲が良すぎる」とツッコミのコメントも上がっていた。
しかし激戦を乗り切るためには、こんなことでめげてはいられない。深浦九段は、クイズの合間の絶妙な話術とヒントから回答をひねり出し、苦戦の末に「周囲に恵まれている」「アクティブ」「ABEMAトーナメント皆勤賞」「料理上手」「長崎出身」という5つの正解を導き出した。
正解5問を「当てるまで帰れません!」という厳しいルールを乗り越えた深浦師弟は、「頑張りました!」と一気に晴れやかな表情に。深浦九段は「自分が思っていたポイントとは違う部分もあったが、大地くんのアピールポイントも分かってきた。そういったところも踏まえながら師弟トーナメントを戦っていきましょう」と振り返った。
一層強くなった師弟の絆で、目指すは優勝の一点のみ。目標達成のあかつきには、佐々木七段得意の手料理で高級食材のスペシャルメニューをふるまうことを公約に掲げ、「今回こそは勝ちましょう!」と気持ちを合わせていた。
◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)