アニサキスに続く、新たな寄生虫が日本を席巻するかもしれない。警鐘を鳴らす医師に話を聞いた。
「アニサキスに続くのは『コリノソーマ』だ」
そう語るのは、北海道にある「さいわい内科消化器クリニック」の藤田朋紀院長。アニサキスは今年何度も聞いた寄生虫だが、コリノソーマとはどんな寄生虫なのか。
「体長は5ミリぐらいで小さくて白い。基本的には、トドやオットセイに寄生しているが、人間も食べるような魚に入っている」
刺身や寿司で人気のヒラメや、北海道では生で食べられることが多いニシンに多く寄生するというコリノソーマ。もし、寄生されるとどのような症状があるのか。
「腸管に体を固定するために吻(フン)というものを刺すので“激痛”がくる。最初に出会った症例は腹水も溜まっていた。腸管がむくんで腸閉塞のようになっていたので、腸に小さな穴が開いていたのではないか」
藤田院長によると、コリノソーマが厄介なのは「症状だけでなく“寄生する場所”もだ」と話す。
「私が経験している症例のうち、小腸は4症例、大腸は2症例ある。アニサキスは胃に噛みつくが、小腸の内視鏡検査は限られた施設でしかできない。それで見つかっていない可能性が高い」
コリノソーマが体を固定する場所は小腸。病気が少なく観察しづらい臓器のため、小腸内視鏡で検査・治療できる病院が限られている。そのため、寄生されていても検査で発見されず、知らず知らずのうちに飼い主になっている可能性があるそうだ。
藤田院長が確認した症例は、現時点で5例ほどだが、「これから全国に広がるのではないか」と危惧している。
「今は、北海道から本州へ新鮮な魚を輸送する技術も発達している。今後はほかの地域でも症例が見つかるのではないか」
ネクストパラサイトのコリノソーマ。寄生されないために、どのようなことに気をつければいいのか。
「予防するためには、しっかり(魚の)腸を取り除くことだ。腸の外にいるかもしれない寄生虫などを取り除くためによく洗うことも大切になる。また、熱を加えると死滅するので、焼き魚や煮魚であれば大丈夫だ。刺身で食べるときには要注意だ」
(『ABEMAヒルズ』より)
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