将棋界のレジェンドもついに限界か――。そんなことを1年ほど前に思っただろう少なくない関係者・ファンも、今の状況に驚き、また喜んでいることだろう。1月8日に開幕するALSOK杯王将戦七番勝負で、5つのタイトル保持する藤井聡太王将(竜王、王位、叡王、棋聖、20)に挑戦するのは、タイトル99期を誇る羽生善治九段(52)。約2年ぶりとなるタイトル戦出場だ。2021年度は大不振に陥り、順位戦A級からも陥落。ついに衰えが来たかと囁かれた中、2022年度は見事に復調し、挑戦権をかけた王将リーグでは全勝までした。将棋ファンのSKE48鎌田菜月も「一瞬心配してしまった自分が恥ずかしくなりました」と苦笑いするほど。新たな挑戦へと踏み出した羽生九段の魅力を、いろいろな角度から聞いた。