誰も、一歩も退かない。類稀に見る熱戦に、実況や解説も大興奮だった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2022-23」1月3日の第1試合、オーラスでのことだった。当試合は起家からKONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗（連盟）、渋谷ABEMAS・日向藍子（最高位戦）、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳（連盟）、U-NEXT Pirates・瑞原明奈（最高位戦）の並びでスタート。今シーズン初のオール女性卓ということで、試合前からファンの注目度も高かった。
その注目に応えるかのように、試合は東場で全員が1回ずつアガるぶつかり合い。南2局2本場ではトップ目の日向が6000点（＋600点、供託2000点）をツモってリードを広げるも、南2局3本場では伊達が満貫・8000点（＋900点）を完成させて追随した。南3局は岡田・伊達、南3局1本場は伊達・日向のテンパイで流局。トップ目の日向と2着目の伊達との差はわずか3200点で、供託が4本あることで伊達は点数を問わずアガれば逆転勝利という局面だった。
ここで伊達は配牌の時点で対子だった中を早々にポン。続いて、岡田も發を鳴いた。「日向はピンチを感じていますね」。実況の松嶋桃（協会）や解説の石橋伸洋（最高位戦）が推察する中、伊達は無駄なくテンパイ。だが、程なくして日向がチーを宣言すると、その捨て牌の西を岡田が鳴いてテンパイ、さらに、その捨て牌の白を日向が鳴いてテンパイまでこぎつけた。「仕掛けた3人がテンパイで並びました。日向もアガり切ればトップ、岡田もアガれば4着回避」。これに松嶋が反応した刹那、なんと、今度は瑞原がペン7筒を引き寄せてリーチ。しかも、全員が両面テンパイという状況下、石橋は「全員、両面テンパイ？」「大変だ、大変だ」と驚き、松嶋も「もう分からない」と絶叫した。
結果は、瑞原のリーチ直後に日向が伊達に2000点（＋600点、供託5000点）を放銃。伊達の逆転トップが決定した。
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合（全188試合）。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各20試合・全30試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（16試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
