そんなこともできちゃうの！？トップ棋士の“貴族”のたしなみにファンから驚きの声が上がった。8組の師弟により“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」への出場を前に、中田功八段（55）＆佐藤天彦九段（34）師弟が集合した。エレガントな身のこなしとファッションスタイルから“貴族”の愛称で親しまれる佐藤九段の「僕の好きな貴族文化を師匠にも紹介したい」との発案で向かった先は、千葉県柏市の「コーマル城」。激戦必至のトーナメントを前に、師弟で中世貴族ファッションに変身し、絵画鑑賞にチェンバロ、鷹狩りを楽しんだ。
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将棋ファンにはすっかり浸透した佐藤九段の“貴族”の愛称。きっかけは、スナック菓子を箸を使って食べていたことを棋士仲間の佐藤慎一五段にブログで発信されたことだったと言い、自身も中世ヨーロッパ文化に興味を持っていたため定着した。師匠の中田八段にも優雅な貴族文化の世界観を紹介したいと、フランス城主会会長認定の城「シャトー・ド・コーマル（コーマル城）」に向かった。
フランス18世紀ロココ様式の建築を忠実に再現した城内とあり、まずは中世の貴族ファッションに変身。「衣装だけでなく立ち居振る舞いもしっかり学んでほしい」とあいさつの練習から始まり、絵画鑑賞、家具、音楽、食、当時の文化など、佐藤九段が豊富な知識を披露していた。
“ピアノの祖先”とも呼ばれる鍵盤楽器のチェンバロにも触れ、佐藤九段が『メヌエット ト長調』のワンフレーズをサラリと演奏する場面も。柔らかな語り口と演奏に、ファンからは「チェンバロまで弾けるんですか…」「とても面白かったのと、なんか勉強になった」「言葉があふれてとまらないの楽しそう」と驚きの声が上がっていた。
さらに貴族のスポーツとして親しまれた『鷹狩り』にもチャレンジ。「ハイ！」という掛け声で鷹を呼び寄せ、慣れた手つきで喉元をなでる弟子の様子に、中田八段は「すごすぎるんですけど！なに平然とさ…」と目を丸くしていた。そんな師匠も「我々、福岡出身だから『鷹』には親しみがあるよね」とプロ野球・福岡ソフトバンクホークスを引き合いに、鷹狩りに初挑戦。恐々ながら鷹を呼び寄せることに成功させ、佐藤九段からも「さすがですね、すっかり貴族らしくなって…」と優美な笑顔がこぼれた。
貴族としての立ち居振る舞いも板についた中田師弟。最後は、佐藤九段が師匠へ一輪のバラがプレゼントした。エレガントな空間から一転、激戦が繰り広げられる「師弟トーナメント」へと向かうとあり、“戦場”には似つかわしくない贈り物と思われたが、「ただのバラではないんです。このオレンジ色のバラの花言葉は『絆』です」。前回大会で中田八段から「強さこそが絆」という言葉を贈られた佐藤九段にとって、絆の花言葉を持つ一輪のバラは師弟で力を合わせて戦うチームの象徴ととらえているようだ。
前回は惜しくも予選突破できず、中田八段は「悔しさが2分の1になるかと思ったら、2倍になるんですね」と振り返った。今期こそ喜びを2倍へ。チーム中田の華麗な戦いに注目したい。
◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
