80年代末のアメリカマット界で大活躍したグレート・ムタが、日本でその地位を確固たるものとするきっかけとなった試合といえば、1990年9月14日、広島サンプラザで行われた馳浩との一戦だ。この試合でムタは、反則ざんまいの無法ファイトで馳を血祭りに上げ、ベビーフェイスである「武藤敬司」とは違う“悪の化身”としてのキャラクターを確立。日本でも一躍、大ブレイクをはたした。