成田悠輔氏、ブラックボックス化した死刑制度に「実態を知るべき」犯罪専門家と議論
“絞首刑”は残虐?死刑制度を考える

 2022年11月、大阪拘置所に10年以上収容されている死刑囚3人が、死刑における絞首刑差し止めなどを国に求め提訴した。訴状などによると、原告らは「実験などから、絞首刑は受刑者の体が損壊するなど、残虐で非人道的な結果になる可能性がある」として「国際人権規約に違反している」と主張している。

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 『ABEMAヒルズ』に出演した犯罪学の専門家である丸山泰弘氏(立正大学法学部教授)は「まだ死刑制度の深い議論がされていない」と訴え。「死刑は重大事件に関わるものが多い。皆さん感情的に見てしまって、過烈な意見が出てきがちだ。1歩引いて、そもそも死刑制度とは何か。それに至る運用もどうなのか。ちゃんと見たほうがいい」と見解を述べた。

 米・イェール大学助教授で経済学者の成田悠輔も「僕も死刑制度の実態をあまり知らない。是か非か、賛成か反対かといった議論になりがちだが、これほど重要なものはその議論の前に、まず体感として、死刑制度がどのように動いていて、どのような人が関わっているのか。それを知ることが大事だ」とコメント。

 成田氏が「死刑になる人やその家族はすごく特殊な経験をされる。あまり死刑制度をほじくり返されたくないといった側面もあるだろう。素人目だが、ブラックボックスにするのは、良い面と悪い面があると思う。丸山教授はどう考えるか」と投げかけると、丸山氏は「もちろん、事件の当事者にあたる加害者や被害者については配慮しなくてはいけない」と回答。

 その上で、丸山氏は「賛成か反対かどうかを判断するために、内面を知らないとちゃんと議論できない。死刑は社会で行う刑罰だ。受刑と保護観察の違いについて、ほとんどの人は詳しく知らない。死刑だけでなく、刑罰について知っていくのも市民の役割だ」と改めて知る重要性を説いた。(「ABEMAヒルズ」より)

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