日本マクドナルドは1月16日に約8割の品目で10〜150円の値上げを行った。
この値上げで、ハンバーガーは150円から170円に、ビッグマックは410円から450円に。マックフライポテトもSサイズ 160円から190円、Mサイズ 290円から330円、Lサイズ 340円から380円になった。
マクドナルドといえば手頃な価格も大きな魅力の一つ。今回、1年で3度目の値上げになるが、果たして顧客離れは起きるのか。値上げの要因と狙いはどこにあるのか。コメンテーターの東洋経済オンライン編集部長の武政秀明氏に聞いた。
実は、日本マクドナルドは2022年3月14日に一部品目で10〜20円、9月30日には約6割の品目で10〜30円の値上げを行っており、今回の値上げは「1年間で3度目」となる。
しかし意外なことに、これまでの2度の値上げで顧客は離れておらず、むしろ増えているのだ。この理由はどこにあるのか。
「客数も客単価も増えているという理想的な状況です。ハンバーガーが美味しい、コーヒーが楽しめるという以外に、『店舗での非日常の体験』『特別感を味わえること』というメリットとブランドの力が相対的に高いと顧客に判断されたからではないでしょうか」(以下、武政秀明氏)
これまで材料費の高騰などから「価格転嫁したいが消費者に負担をかけたくない。顧客離れも怖い」と考え、値上げに踏み切れなかった企業は多かった。街の定食屋やスーパーマーケットは価格を10円上げることに対しても「申し訳ない」と思い、身を削りながら企業努力を続けてきた一面もある。
しかし最近、消費者のマインドも変化しているのではないかという。
「ウクライナ情勢の影響もあって、燃料価格・材料費が高騰しているのは紛れもない事実であり、消費者も理解しています。今大事なのは、みんなで豊かになっていくんだというムードをつくることと、付加価値と生産性を上げて経済成長をしていくことです。付加価値の高い商品・商材を出していければ将来の不安も払拭できます。値上げにも賃上げにも繋げていけるのでは」
「値上げの勇気」を持ち、「値上げは賃上げにも繋がる」という構図を理解・体感していくことが肝心だという。
「もちろん、価格を上げ過ぎると耐えきれない方へのケアを忘れてはいけません。とはいえ、ユニクロの初任給UPのニュースもありましたが、突破口になる存在、明るい見方が国力を上げていきます。誰かが飛び出さなくてはいけないのです。もちろん、政治が果たすべき役割も大きいでしょう」
(『ABEMAヒルズ』より)
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