将棋の藤井聡太王将(竜王、王位、叡王、棋聖、20)が、1月21・22日の両日、大阪府高槻市の「摂津峡花の里温泉 山水館」で行われた囲碁将棋チャンネル 第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局で、挑戦者の羽生善治九段(52)に101手で敗れた。シリーズ1-1のタイに追いつかれた一局を、「考えていてもなかなか思わしい変化が見つからなかったかなという感じです」と振り返った。
藤井王将が初防衛を目指すシリーズの第2局は、“レジェンド”に黒星を喫した。14期ぶりの王将位奪還とタイトル通算100期を狙う羽生九段の先手番で始まった一局は、「相掛かり」の戦型に。終始アグレッシブな羽生九段に対し、藤井王将は先手の構想を探るように受けに回った。
羽生九段の深い研究か、意表の金打ちから先手ペースに。「その前に(垂らしの歩の場面で)角をどこに使うか迷ったのですが、思った以上に嫌な形だったのかなという印象でした」。藤井王将は離されまいと背後にぴたりと着き、反撃のチャンスを伺ったがやや劣勢に。追い込まれた藤井王将は、長考を重ねて持ち時間を消費し、最終盤では時間に追われながらの戦いとなった。必死に先手玉に迫ったが、逆転には至らず。101手で静かに投了を告げた。
終局後、藤井王将は「(相掛かりは)予想していたわけではありませんが、序盤は自分としても経験がある形だったので、それに沿って指していました。(終盤戦での銀打ちに)金で受けられられてからははっきりしてしまったかなと思って、その前に何かあったかどうかというところです。考えていてもなかなか思わしい変化が見つからなかったかなという感じです」と一局を振り返った。
石川県金沢市で予定されている第3局は、1月28・29日の開催。「すぐ来週にあるので、しっかり良い状態で臨めるようにしたいと思います」と意気込みを語った。
(写真提供:日本将棋連盟)