“後付け推薦”何が問題? 立教大「やめて」ツイートに反響
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「選考時や内々定後、 学生に推薦状提出を求める企業様がありますが、 本学では推薦状は発行しておりません(一部理系推薦除く)」
「『内々定辞退の抑止力』として推薦状を求めている場合には、別の方法をご検討ください。学生・教員の大きな負担となっています」

 立教大学キャリアセンターのツイートに反響が寄せられている。近年、就職活動の選考過程で、企業が学生に後付けで推薦状を求めるケースが増加。なぜ、企業は推薦状を求めるのか。ニュース番組「ABEMA Prime」では、就職コンサルタントと共に考えた。

【映像】立教大学キャリアセンターの投稿(ツイート画像あり)

 就職コンサルタントの福島直樹氏は「特に理系学生さんの場合、就活では通常の学校推薦、自由応募の2つのルートがある。ただ、実は自由応募の学生さんに対して、後で『推薦状を出してください』という“第3のルート”がある。通常の学校推薦であれば、もう学生さんも覚悟が決まっている。つまり学校推薦を出す以上は、内定辞退はしない。自由応募で受けた後の後付け推薦は、いってみれば企業にとって自由応募だが、推薦状を出すことによって『内定を辞退しないでね』と、そういう影響力を持っている」

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 後付け推薦の何が問題なのだろうか。福島氏は「学生さんは自由応募で受けるわけだから、企業を選べるわけだ。ところが『後付け推薦を出してください』となると、その時点で企業を選べない。自由応募なのに後から企業を選べなくなるところが、非常に就活の不明瞭なところだ」と指摘する。

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 推薦状は何通も取れるものなのか。

「取れない。1人の学生さんが推薦状を取ろうと思った場合、基本的に大学の先生、あるいは大学から推薦状が出る。推薦状を発行する人からすれば、1人の学生に3つも推薦状を出す、つまり3社に対する推薦状を出すのは、心理的にハードルが高い。基本は1人の学生さんに1つしか推薦状を出さない」

 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「例えば、テレビ朝日に内定もらって推薦状を出した後、Googleに受かった。もしGoogleに就職する場合、何か学生に不利益はあるのか」と質問。

 福島氏は「通常の文系就職なら、そういう世界が普通に展開されていて、特段何も問題になっていない。この後付け推薦が問題になっているのは、理系だけだ。理系の学生さんを従来の仕組みでなかなか採用ができないので、後知恵で後付け推薦の作戦が増えてきている」と回答。

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 福島氏は「正式な学校推薦で企業を受けても、実は内定を辞退する学生もいる。それが2、3年続くと、翌年からもう学校推薦がその大学に来ない。特に理系の学生さんの中には『私が内定辞退したら後輩に迷惑がかかる』と考える人もいる。心理的な影響力を企業側も意識している。立教大学のように『関係ない。自由に蹴ってくれ』という大学もある」という。

 番組司会のテレビ朝日・平石直之アナウンサーは「推薦状がある種、人質になる。立教大学の担当者は『学生からの問い合わせが増えて、5年ほど前から問題が表面化した。問い合わせが多い企業に直接推薦状を求めないように申し入れを行ったが、改善する兆しが見えない。推薦状を求める学生は直接教員に依頼するケースが多く、3桁、100人以上いるのではないかと見ている』と言っている。そのぐらいの規模になると大変だ。『これはちょっとおかしいんじゃないの?』という立教大学の問題提起だ」と指摘する。

 ひろゆき氏は「後ろめたさというのが心理的障害というのは、先生に推薦状を書いてとお願いして先生の時間を作るから申し訳ないなと思うのではないか。学生番号と名前入れて自動的に発行すればいい」と持論を展開。

「内定辞退がいっぱい出る企業は人気の企業じゃない。内定の辞退者をどうやって減らすかは、もう給料上げればいいだけ。『今年の内定の人は初任給プラス3万円ですよ』と言ったら『他と比べて3万円多くもらえるなら行こう』となる。こんなわけの分からないことやるより給料上げろと思う」

 専業主婦から外資系ホテル日本社長になり、IT業界に転職した薄井シンシア氏は「本当にどうでもいい話」と話す。

「学生さんたちは、本当に今売り手市場だ。そういう推薦状を取って来るように言うような企業はこっちから『ごめんなさい、行きませんよ。次!』と言うべき。若い新卒はどんどん減ってるから、人材としてはもうパイが減っている。そこで奪い合いになるよりも、私みたいな高齢者や外国人をどうやって受け入れてうまく使うか。そっちに頭をシフトしたほうがいい」

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 その上で、薄井氏は「見ている学生さんたち、頭に入れて、よく聞いてください。今どれだけ売り手市場か。私は63歳で7月に就活したが、7社からオファーが来て、11月に入社した。だから本当に今売り手市場だ。そうでなければ、63歳の私は就職できない。強気でいきましょう。推薦状はChatGPTに作らせればいい」と学生にメッセージ。

 福島氏は「コロナ前は求人倍率1.83倍だったが、まだ1.5倍ぐらいだ。新卒に関してはコロナ前まで求人は回復していない。まだ少し強気にいけない」とした上で「エントリーの段階で、自由応募と後付け推薦か、どちらか選べとなっている。これは大学のいわゆる従来型の推薦とは別の話だ。多くの学生さんは自由応募を選ぶが、途中で『後付け推薦でどうか』と勧めてきて、理系の学生さんに『配属先をもう確約する』とそんな甘い汁を吸わせる。素直な学生さんを追い込むような仕組みだ」と述べた。(「ABEMA Prime」より)
 

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