将棋の順位戦A級8回戦が2月1日に行われ、藤井聡太竜王（王位、叡王、王将、棋聖、20）が永瀬拓矢王座（30）に敗れた。この結果、藤井竜王の成績は6勝2敗に。渡辺明名人（棋王、38）への挑戦権争いは、3月2日に予定されている9回戦最終一斉対決以降へと持ち越されることになった。藤井竜王は最終局で稲葉陽八段（34）と対戦する。
藤井竜王が得意の角換わり戦で黒星を喫した。8回戦の相手は、デビュー以来の研究パートナーで、昨夏に行われた棋聖戦五番勝負を戦った永瀬王座。勝てば初の名人挑戦へプレーオフ以上進出が決定する重要な一局だが、4勝3敗から追う永瀬王座にとっても勝利を目指す気持ちは同じ。渾身の研究をぶつけて序盤から藤井竜王に揺さぶりをかけた。
中盤を飛ばすように一気に終盤に突入するも、永瀬王座は豊富な攻め筋と深い事前研究を元にペースを掌握。じわじわと藤井竜王にプレッシャーをかけた。先に秒読みに突入した藤井竜王は、必死に逆転の道筋を探って勝負手から細かな技を見せたが、押し戻すことは出来ず。永瀬王座は長く緊迫した終盤戦でも緩まず、丁寧な指し回しを見せ後手の猛攻をかいくぐった。粘りを見せた藤井竜王だったが、最後は静かに頭を下げて投了を告げた。
この結果、藤井竜王の成績は6勝2敗に。5勝2敗で2位グループの斎藤慎太郎八段（29）と広瀬章人八段（36）が同日に直接対決行い、勝利した広瀬八段が藤井竜王と同星に並んだ。さらに、3月2日に行われる最終9回戦一斉対決での挑戦権争いは、3敗グループも含まれる混戦に。2つのタイトル戦と、初の名人挑戦に向かって戦う藤井竜王の今後にますます目が離せない。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
