東京都は2023年度、労働者の育休の取得を後押しするために「育業中スキルアップ支援事業」の実施を検討していることがわかった。
【映像】「育業中スキルアップ支援事業」都が検討 育休取得を後押し
育業中スキルアップ支援事業では、従業員が育休中のスキルアップを希望し、企業がそのための受講料などを支援した場合、都が企業に対して費用の最大3分の2を助成する。初年度の助成対象は10件で1社あたり最大100万円の想定で予算が計上されている。
東京都によると、「育休がキャリアダウンになるのではないか」と懸念する労働者が育休の取得自体をためらう事例があることから、スキルアップの支援により、復職後の働き方への不安を払拭し、育休をとりやすい環境を整備することが目的という。
また、育児中の受講がしやすいようeラーニングの講座なども対象になる予定だ。最終的な事業実施の可否は議会での審議を経て決定する。
育休・育業取得の後押しでキャリアダウンの不安を和らげる目的の育業中スキルアップ支援事業。しかし、スキルアップのための託児費用の助成は未定だという。このニュースを受けて、ニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演したSOICO株式会社・取締役COOの土岐彩花氏は次のように話す。
「育休中は24時間かかりっきりになる。そこで新しいものを学ぶのは現実的ではないかと。例えば子どもが小学校に行き始めるなど、ちょっと手が離れ始めて自分の時間が持てるようになったときにリスキリングの支援があったらいいと思う。
また、育児中は母親が鬱状態にならないように、少し自分の時間を持てるようにするのはすごく大事だと思う。例えばヨーロッパだと、週に1日は絶対に子どもを保育園に預けて自分の時間を持ちましょうという育児指導がされているので、そういう欧米の良いところとかは取り入れてもいいのかなと。」
日本はまだまだ男性の育休が取りづらい環境でもある。実際に土岐氏の会社はどうなのか。
「主力事業部の責任者という立場の男性が2カ月ほど育休を取ったが、意外と問題なく回ることが判明した。ただ、これは風潮が問題だと思っていて、皆さんバリバリ働かれていると取りづらいと思う。むしろ会社が(育休を)取るようにあっせんするなど、仕組みで解決することが重要」
(『ABEMAヒルズ』より)