こんな幕切れ、誰も予想できない。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2022-23」2月3日の第1試合は渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）がトップ。オーラス、4着に沈んでいた状況から一撃で3者をごぼう抜きする倍満ツモ。試合後は「今期一番の幸運」と喜びを口にした。
【映像】見るものも増える松本吉弘、大逆転の倍満ツモ
この試合は東家からKADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）、松本、KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典（連盟）、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう（最高位戦）の並びで始まった。松本は東1局、10巡目にリーチをかけると、これを追っかけリーチの滝沢からアガって5200点の先制に成功した。しかしその後は幾度となくリーチと仕掛けで加点を目指すも空振りに終わり、南2局1本場には内川へ満貫を振り込んでラス目へ落とされてしまった。
南4局、松本と2着目のたろうとの差は1万3100点。たろうが先制リーチをかけてきたが、終盤に松本も追いついた。ドラの八万が対子のチャンス手、リャンメンに取るか、ツモれば三暗刻が付くシャンポンか。満貫ツモでは滝沢をまくれない。意を決し選んだのは、バットを長く持って狙うは長打、跳満確定のシャンポンリーチだ。一発・裏ドラ次第では倍満まである。この選択に放送席は「倍ツモ狙うんだ！」と驚愕、視聴者も「よく行ったぞ！！！」「これでこそ松本よ」「マツの大まくりあるのか」と騒然だ。力を入れてツモった牌は高目のドラ八万。リーチ・ツモ・三暗刻・ドラ3に加えて裏ドラ3枚。視聴者の「震えたぞもってぃ！」「スゲーw」など大歓声を背に、1万6000点を手に入れて大逆転トップ。その価値はトリプル役満超の9万7000点分、大きすぎる殊勲打を放った。
試合後は疲労困憊。「今期一番の幸運だったと思います」と絞るように言葉を紡いだ松本。オーラス、もしリャンメン待ちに取ればリーチ宣言牌の5索はたろうにロンだった。「満貫ツモ（れば）2着なら、5索放銃になっていた可能性ありましたね」と胸をなでおろした。これで先日トップを取った白鳥翔（連盟）に続いて松本も復調。直近の試合では競り負けることも多かっただけに、最後には晴れやかな笑顔も見せた。「セミファイナルに向けて大きくポイントを伸ばせるように頑張りたい」と、佳境を迎えるレギュラーシーズンの活躍を誓った。
例年、勝ち上がるチームにはレギュラーシーズンのどこかで劇的な勝利がある。この試合がチームにとってターニングポイントになり得る、ファンへそんな予感を抱かせるに十分な逆転サヨナラ倍満ツモだった。
【第1試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）3万1100点／＋51.1
2着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）2万9000点／＋9.0
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典（連盟）2万1700点／▲18.3
4着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう（最高位戦）1万8200点／▲41.8
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合（全188試合）。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各20試合・全30試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（16試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
