優勝は絶対に渡さない。そんな師匠による気合の“頬ペチ”音が対局場に響き渡った。8組の師弟により“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」の本戦トーナメント決勝戦、チーム深浦 対 チーム木村が2月11日に放送された。第1局は必勝を掲げて深浦康市九段（50）が出陣。チーム木村・高野智史六段（29）との対局中には気合の現れとも言える“頬ペチ”が入り、その迫力に視聴者は「びっくりしたー」「もはや威嚇ww」「ぺちぺち入りましたー」と驚きの声を上げていた。
ついにたどり着いた決勝の舞台。愛弟子の佐々木大地七段（27）と頂点に立つべく、深浦九段の気合と集中力はピークに達していた。初戦で向かうは好調の高野六段。前年の戦いぶりから「高野さんにVSを申し込んだ」と明かすほど、その強さと安定感には一目を置いていたという。
両者による一局は、先手の深浦九段の得意戦法・雁木の出だしに。▲4五桂と飛び出すと、解説の中村太地七段（34）からは「元気いっぱいですね」のコメントも入った。しかしその“元気”が溢れすぎたか、攻めの手に迷う様子に控室の佐々木七段が「若干暴発しかけているように見えるが…、これくらいは一局なのかな…」と心配する場面もあった。
ここが勝負所と見たか、深浦九段は自らの頬を「ペチペチペチッ！」と3発強打。静寂に包まれている対局室に、駒音以外の“異音”が響き渡った。弟子の佐々木七段は「気合入ってんなー」と慣れた様子だが、突然の頬ペチにファンはビックリ。「気合注入」「びっくりしたー」「もはや威嚇ww」「ぺちぺち入りましたー」「ペチ―ラ師匠」「セルフ闘魂注入」「いい音」「弟子冷静w」「気合！すごい～」とコメント欄が一気に盛り上がっていた。
積極的な攻めを見せた深浦九段がペースを掴んだが、受けに回った高野六段が粘り逆転。そのまま勝ちきるかと思われたが、二転三転の大熱戦は相入玉の壮絶な戦いに発展した。最後は冷静に勝負を見切った高野六段がまとめあげ202手で先勝。深浦九段にとっては悔しい黒星となった。
◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
