チーム木村が悲願の初優勝!3-0完勝で2代目“最速最強”師弟の座に 木村一基九段「弟子に救われた」高野智史六段「嬉しいです!×3」/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 8組の師弟により“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」の本戦トーナメント決勝戦、チーム深浦 対 チーム木村が2月11日に放送され、チーム木村がスコア3-0で勝利、初優勝を決めた。前回大会に次ぐ2代目の“最速・最強”師弟の座は、木村一基九段(49)&高野智史六段(29)がその栄冠をつかみ取った。

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 決勝五番勝負でストレートの3連勝と、強さ&抜群のコンビネーションを示したチーム木村。師匠の木村九段は「弟子の高野君がずいぶん活躍してくれた。これ以上言うことはありません。大変嬉しい優勝です」。これまでに内に滾らせていた闘志が消え、静かに、穏やかに喜びを噛みしめていた。一方、本戦で負けなしとMVP級の活躍を見せた弟子の高野六段は「嬉しいです!嬉しいです!嬉しいです!」と大興奮。師匠と二人三脚でつかみ取った栄冠に、喜びもひとしおの様子だった。

 初優勝までの道のりは、決して平たんではなかった。前回大会はまさかの予選敗退。リベンジを掲げて強い気持ちで臨んだ今大会は、予選Bリーグからの参戦となった。グループには、初出場の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)&杉本昌隆八段(54)のチーム杉本、決勝を戦ったチーム深浦・深浦康市九段(50)、佐々木大地七段(27)らも含まれており、予選1位決定戦でのチーム深浦との対戦時は、チーム木村が1-3で敗戦を喫していた。2位決定戦ではチーム杉本に3-1で勝利し、悲願の本戦進出が決定。チーム深浦とともに決勝進出を果たした。

 未踏の地だった本戦・準決勝では、谷川浩司十七世名人(60)&都成竜馬七段(33)のチーム谷川と対戦。高野六段は都成七段との弟子対決で千日手指し直しの大激闘を演じるなど、勝ち星を積み重ね、フルセットの末に決勝進出を叶えた。

 いよいよ迎えた決勝戦では、前回大会・今回の予選と併せて4戦目となるチーム深浦との対戦に。過去3戦は全敗ながら、師弟の絆の強さは負けてはいない。師匠は弟子を、弟子は師匠を、互いを心の支えとしながら対局に臨んだ。両チームともに力は拮抗していたが、結果はチーム木村の3連勝。決勝戦の解説を務めた中村太地七段(34)は「二転三転の攻防が続いたシリーズだったが、フィッシャールールだと最後の最後にどちらが正確に指せるかというところが勝敗に直結する。最終盤での正確性が、チーム木村の方が一歩上回っていたのかなと思う」と総括していた。

 負け越しを喫していたチーム深浦に、決勝で完勝とリベンジを果たしたチーム木村。長く厳しい戦いを終えた木村九段は、大躍進を遂げた高野六段を「辛抱強くなったなと思います。これが続くのか一時のものなのかはわかりませんが、大いに期待しています」と独特の言い回しをしながらも、「高野くんに助けられた、救われましたね。師匠としては大変嬉しいです」と柔らかい笑顔で大健闘称えた。

 「厳しい将棋、多かったよね。苦しいのを跳ね返したかいがあったね。嬉しいね」と喜びに浸る師弟。最後は、木村九段から「軽く飲み行くか!」と愛弟子に祝勝会のお誘いがかかった。前回大会の苦杯から1年。師弟で酌み交わす一杯は、極上の味となったに違いない。

◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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