女流棋士3人1組で戦う超早指し戦「女流ABEMAトーナメント2023」のドラフト会議の模様が3月4日に放送される。女流トーナメントとしては団体戦初開催だった昨年、リーダーとして優勝を果たした加藤桃子女流三段（27）は「全部が全部おもしろかったです」と、明るくニコニコ笑った。チーム3人は笑いあり涙ありと、まさに大会を全身で満喫した。その楽しさをもう一度味わうために、ドラフト戦術にもしっかりイメージを描いてきた。
昨年大会では付き合いが長い香川愛生女流四段（29）、10代後輩・野原未蘭女流初段（19）という2人を仲間に選ぶと、盤上も盤外も、とにかくフルで楽しんだ。「昨年は優勝という光栄な結果で、チームメイトみんなで掴み取ったなという印象があります。チーム動画も楽しかったですし、全部が全部おもしろかったです。カメラに映っていないところで印象に残っていることがあったり、励まし合って結構楽しかったです」と、そのコメントからもいかに楽しんだかがよくわかる。
香川女流四段の対局を見ながら、野原女流初段と楽しそうに食事をパクパク食べたことには「それ、恥ずかしい（笑）」と照れつつも「私はずっと一人っ子なので、妹ができた感覚ができてうれしかったです」とも振り返った。そんな野原女流初段が優勝のタイミングで涙したことに「かわいいです、本当」と完全に姉目線になった。
日々、厳しい戦いの世界に生きているからこそ、将棋を介して楽しい時間が過ごせるのは、この上なく幸せだ。今回も優勝という結果と同じくらい、楽しい時間を作り出せるメンバーを選びに行く。「1巡目でお目当ての方が獲得できるかどうかで、構想が変わってきちゃうので難しいんですが、明るい人がいいなと思っています。いろいろな棋風や性格の方がいるので、それに合った作戦を立てたりして、戦術面も楽しめそうかなと思っています」と、フィッシャールールという独特な戦いへの適性も見る。
今回は監督制度がないため、オーダーもリーダーを中心に決めていくことになる。ただ加藤女流三段は「仲間に委ねる形を取ろうかなと思っています。素直に正直に話せる方がいいです」と、2人を引っ張るよりも3人で戦うことを強調した。「どのチームも策を練ってこられると思うので、何にでも対応できるようにとにかく早く手を動かしたいです。目標はもちろん優勝。みんなで力を合わせて頑張りたいです」。理想通りの展開となり、2度目の頂点に立てば、天真爛漫な加藤女流三段は両手を大きく挙げて「やったー！」と喜ぶはずだ。
◆女流ABEMAトーナメント 第1回大会は個人戦、第2回大会から団体戦になった。第3回の「2023」は4人のリーダーがドラフトで2人ずつ指名、3人1組のチームを結成し、トーナメントで優勝を争う。持ち時間は5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は5本先取の9本勝負で行われ、第5局までに必ず全員が1局以上指さなくてはならない。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
