藤井聡太竜王、シリーズ初黒星 渡辺明棋王に敗れ2勝1敗に “最年少六冠”は持ち越し/将棋・棋王戦五番勝負第3局
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 将棋の棋王戦コナミグループ杯五番勝負第3局が3月5日に行われ、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が渡辺明棋王(名人、38)に敗れ、シリーズを2勝1敗とした。次戦、第4局は3月19日、栃木県日光市の「日光きぬ川スパホテル三日月」で指される。

【映像】渡辺棋王がシリーズ初勝利を飾った一局

 藤井竜王が棋王奪取に王手をかけた第3局・新潟対局は、藤井竜王の先手で「角換わり」の戦型に。出だしから速いスピードで指し進められ、前例の少ない激しい展開となった。未開の将棋に、両者ともに熟考。藤井竜王は高リスクをいとわずぐんぐんと玉を前進させたが、形勢はぴんと張りつめたように均衡を保ったまま終盤戦へと突入した。

 互いに持ち時間1時間を切ると、対局室の緊張感はより一層アップ。渡辺棋王が先手に踏み込み金を取ると、この決断から形勢が動き出し渡辺棋王側へ。チャンスと見られていたが明快な手順は見えず、藤井竜王は難易度の高い選択を迫り続けた。角の打ち合いから、渡辺棋王が先に一分将棋に突入。ぎりぎりの大激戦から、最後は大シーソーゲームに。超難所をくぐり抜けた渡辺棋王が勝利を手にした。

 最後までどちらが勝つか分からない大激戦とあり、終局後は両者ともにぐったり。藤井竜王は、「最後に一瞬チャンスが来た場面もあったが、全体的に苦しい将棋だったので仕方ない。しっかり内容を振り返って次に繋げたい」と疲労をにじませた。

 この結果、藤井竜王はシリーズ初黒星。9割超えの勝率を誇る先手番で敗戦を喫し、棋王位初奪取で期待が寄せられている“最年少六冠”獲得は次局以降に持ち越されることとなった。藤井竜王は現在、羽生善治九段を挑戦者に迎えた王将戦七番勝負も同時並行で戦っている。3勝2敗で初防衛に王手をかけているものの、百戦錬磨のレジェンド相手に一瞬たりとも気は抜けない。さらに順位戦A級を首位で駆け抜け、3月8日は名人初挑戦をかけて広瀬章人八段(36)とプレーオフの大勝負が待ち構えている。全国を飛び回り連日の大勝負に臨むとあり、ハードスケジュールも強敵のひとつと言えるだろう。

 10連覇中の渡辺棋王にとっては待望のシリーズ初勝利。対藤井竜王戦の連敗を「7」で止めた。タイトル戦では2020年7月の第91期棋聖戦五番勝負第3局以来の白星となった。11連覇に向けて連勝を飾り最強の挑戦者を退けるか、藤井竜王が次局で決めるか。大注目の第4局は3月19日、栃木県日光市の「日光きぬ川スパホテル三日月」で指される。
ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】第48期 棋王戦コナミグループ杯 五番勝負 第三局 渡辺明棋王 対 藤井聡太竜王
【中継】第48期 棋王戦コナミグループ杯 五番勝負 第三局 渡辺明棋王 対 藤井聡太竜王
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