ファンの記憶に残る名局、そして名言の誕生だ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2022-23」3月10日の第1試合はセガサミーフェニックス・近藤誠一（最高位戦）がトップ。劇的なフリテンリーチ一発ツモに始まり、随所にベテランらしい打ち回しを披露。試合後は「最後まで諦めない」と限りなく険しいポストシーズンへの道のりに意識を向けた。
前日、TEAM雷電がデイリーダブルを達成し、大きくポイントを上乗せ。それを受けてセガサミーフェニックスのレギュラーシーズン突破は極めて難しい状況に。この試合は近藤にトップが託された。
東家からKADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳（連盟）、EX風林火山・二階堂亜樹（連盟）、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人（連盟）、近藤の並びで開始したこの試合。近藤は東1局にいきなり魅せた。9巡目に一万と白のシャンポン待ちでリーチをかけたものの、一万は2巡目に切っておりフリテンの状態。意外な形の攻めに放送席も「マ、マジで！？」と騒然。白は岡田の河に1枚、残り1枚を自力で引かなければならない。アガリは難しいと思われたこの手、近藤はなんと一発で白を引き寄せ、リーチ・一発・ツモ・白の8000点をゲット。視聴者も「きたよ！！誠一！！」「さすが父ちゃんwすごい！」「カッコいい！誠一さん！」と大盛り上がりだ。
親番の東4局1本場は混一色で仕掛ける佐々木、そして見えているだけでドラ3・赤と脅威のタンヤオで応戦する岡田に対して、近藤は6索と5筒のシャンポン待ちリーチを敢行。ハイリスクハイリターンのこの勝負は、岡田が6索を切り近藤に軍配が。リーチ・赤・裏ドラの7700点（＋300点、供託1000点）を手に入れて、これでダントツ状態に。その後も今シーズンはなかなか見られなかった、仕掛けての3900点、リーチに対して巧みに打ち回してのテンパイ料などで加点。見事な逃げ切りトップを獲得した。
勝利者インタビューで最初に話題となったのが東1局の満貫だ。近藤は「そこに白がいたらツモりますよね」と飄々と語り、リーチ判断については「結局、アガればいい。ペン7索とか残るよりよっぽどまし。放銃で始まっても、東1局なんで、そこから巻き返せばいい」と説明した。逆転セミファイナル進出を信じるファンには「いつもより攻撃的に打てた」と内容に胸を張り「最後まで諦めないで頑張ります！」。ファンからは「雷電に追いつけー！」「誠一さんよかったぞ！」「近藤さんが勝つと嬉しいわ」と、多数の声援が寄せられていた。
フリテンリーチを気迫の一発ツモ、インタビューでは名言誕生。振る舞いの全てが絵になる千両役者が、今シーズンも最後までファンを魅了するはずだ。
【第1試合結果】
1着 セガサミーフェニックス・近藤誠一（最高位戦）4万5900点／＋65.9
2着 KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳（連盟）2万7200点／＋7.2
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人（連盟）1万4100点／▲25.9
4着 EX風林火山・二階堂亜樹（連盟）1万2800点／▲47.2
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合（全188試合）。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各20試合・全30試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（16試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
