
【WBC・1次ラウンド プールB】日本代表13ー4韓国(3月10日/東京ドーム)
第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一を目指す野球日本代表「侍ジャパン」は、過去のWBCで4勝4敗と互角の勝負を演じてきた韓国を13−4で下した。これで侍ジャパンは2連勝。準々決勝進出へ大きく前進した。
この試合のキーマンは、間違いなくラーズ・ヌートバーだった。先発のダルビッシュ有が3回に3点の先制を許すまさかの展開だった。ところがその裏、ヌートバーが反撃の口火を切るタイムリーを放つと、近藤健介、吉田正尚も続きすぐさま逆転に成功する。
さらに5回表、1死一塁の場面で、キム・ハソンの打球が中堅手と遊撃手の間に飛ぶ。これを猛チャージしたヌートバーが、果敢に飛び込むダイビングキャッチで相手に主導権を渡さなかった。
すると6回裏、無死一、三塁と追加点を奪う絶好のチャンスでヌートバーに打席が回る。ところがキム・ユンシクが投じた2球目はすっぽぬけ背中を直撃。このプレーにヌートバーはバットを放り投げて怒りを露わにした。
メジャーリーグなら乱闘でもおかしくない背中への死球だったこともあり、ヒヤヒヤする場面だったことは間違いない。しかしここは日本ということを理解しているのか、投手に鋭い視線を送っただけ。マウンドへ歩み寄るような仕草は見せず一塁へと向かった。
この対応にSNS上では、「ヌートバー気合いが入ってるわ」「抑えて偉いな」「メジャーなら乱闘起きてる」「ヌートバーの気迫が伝わるぜ!」「誰よりも侍魂もってるわ」とヌートバーの対応に称賛の声が多く飛んだ。
快勝後のお立ち台では死球に対する質問も向けられたが、「ちょうど凝ってたところにぶつかってほぐれたので良かったと思います」とジョークを飛ばす余裕も。もちろんスタンドは大盛り上がり。温かい拍手に包まれた。
打って守って走っての活躍だけでなく、ベンチを盛り上げ、さらには侍の魂も持ち合わせたヌートバーが日本のファンをひとつにする。
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