菅井竜也八段の叡王挑戦にファン歓喜「ワクワクが止まらない!」「振り飛車バンザイ」 振り飛車党として初めて藤井聡太叡王とタイトル戦へ
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 将棋藤井聡太叡王(竜王、王位、王将、棋聖、20)への挑戦者を決める叡王戦挑戦者決定戦が3月16日に行われ、菅井竜也八段(30)が永瀬拓矢王座(30)に勝利し、初の叡王挑戦権を獲得した。振り飛車党として初めて藤井叡王とのタイトル戦が決定したとあり、ファンからは「対抗形シリーズきた!」「めちゃくちゃ楽しみ」「振り飛車党にとっては祭りだ!」とコメントが押し寄せていた。

【映像】菅井八段が叡王挑戦権を獲得した一局

 挑戦者決勝戦の相手は、4年前の第4期叡王戦挑戦者決定三番勝負で敗戦を喫した同学年の永瀬王座。菅井八段は「自分の中では一番の強敵なので苦しい戦いになるなと思った。昔(第4期)挑戦者決定戦で負けているので、今日負けると自分の棋士人生が相当キツイものになるとかなり気合が入っていた」と、“背水の”として盤に向かっていたことを明かした。

 強い思いを抱えて臨んだ本局は、後手の菅井八段のゴキゲン中飛車に永瀬王座が超速で対抗。すぐに前例を離れ、大激戦が繰り広げられた。互いに譲らぬギリギリの展開から、先に主導権を握ったのは菅井八段。しかし、“負けない将棋”を掲げる永瀬王座も簡単には譲らず、激しい攻防戦へと突入した。着実にポイントを積み重ねる菅井八段は、玉と反対の端にいる角を確保。優勢を確立すると一気にリードを切り開き、最後は2枚の角で先手玉を包囲して待望の勝利を手にした。

 菅井八段は、振り飛車党の絶対的エースとして順位戦A級に所属。2017年の王位戦七番勝負で初戴冠し、“平成生まれ初のタイトルホルダー”となった。翌年の失冠から5期ぶりにタイトル戦復帰。対局後には、激戦の緊張感が抜けきらぬ表情で「信じられない。最近の自分の調子で挑戦できると思っていなかった」と静かに喜びを噛みしめていた。

 藤井叡王がタイトル戦で振り飛車党と対戦するのは初。振り飛車党棋士のタイトル戦登場自体も、2020年の王座戦五番勝負に挑戦した久保利明九段以来となる。菅井八段は「今の最強棋士に振り飛車がどこまで通じるか。将棋ファンの方は振り飛車党が多い。今の時代は振り飛車が苦しいですが、振り飛車でも充分勝負できるというところを見せたい」と力強く意気込みを語った。

 藤井叡王とは過去に8局の対戦があり、藤井叡王の5勝3敗。直近の対戦でもある2022年8月の順位戦A級2回戦では菅井八段が快勝を飾ったが、「あまり関係ないです(笑)。その前にうんざりするほど負けているので、(A級での勝利は)なんとか一番返せたという感じだった。(五番勝負は)持ち時間も変わりますし、自分の方が頑張ってようやく良い形できると思うので、今からまたしっかり調整して頑張りたい」と闘志を燃やしていた。

 この勝利に菅井ファンはもちろん、振り飛車党が大興奮。ABEMAの視聴者からは、「ワクワクが止まらない!」「振り飛車バンザイ」「藤井先生最大のピンチでは!?」「対抗形シリーズきた!」「師匠もお喜びのことでしょう!」「マジでナイスガイ」「ありがとうございます」「うれしいなあ」「めちゃくちゃ楽しみ」「振り飛車党にとっては祭りだ!」など歓喜のコメントで埋め尽くされていた。

 現タイトルホルダーの藤井叡王が8タイトルのうち5つを占め、かつ棋王獲得にあと1勝、最年少名人をかけた挑戦権を獲得と突き進む中、この快進撃を止めるのが菅井八段となるのか大きな注目が集まることになる。藤井叡王と菅井八段が激突する五番勝負は4月11日、東京都千代田区の「神田明神」で開幕する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【映像】第8期 叡王戦 本戦T 決勝 永瀬拓矢王座 対 菅井竜也八段
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