“超歳の差婚”増えている? 34歳差夫婦に聞く「リアル」と専門家が紐解く「背景」
【映像】先生と学生から夫と妻に! 実態を赤裸々告白
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 2022年9月16日、81歳で生涯を終えた大柴愛子さん。彼女の孤独を埋めてくれたのは37歳年下のパートナー、鈴木英和さん(44)だ。

【映像】先生と学生の関係から夫と妻に! ”年齢差34”夫婦が実態を赤裸々告白

 2009年、当時33歳だった鈴木さんはデイサービスの職員として70歳の大柴さんと出会う。最初に好きになったのは鈴木さんだった。

 一人暮らしの大柴さんを病院から自宅まで車で送るときのこと。「鈴木さんにお礼がしたい」と大柴さんはコンビニでおにぎりをプレゼント。財布にはその分のお金しか入っていなかった。その優しさに鈴木さんは「一緒に住もう」と告白。2011年から2人の交際がスタートした。

 婚姻届も提出する予定だったが、結婚のハードルとなったのは周囲の理解。大柴さんには病死した夫との間に3人の子どもがいて、いずれも鈴木さんより年上で60歳前後。結婚について「ウチの母はもう年老いているし、一緒に住むだけにして婚姻届を出すのはやめたらどうか」と言われたという。

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 転機が訪れたのは2017年。大柴さんの認知症が始まり、さらに80歳のときには末期の十二指腸がんと診断され、本人の意思で自宅療養を選択。鈴木さんは大柴さんが最期を迎えるまでの1年、懸命に介護を続けた。「本当に家族になっていた。いつもいる存在というのかな。そんな感じではあったから」と話す。

 “歳の差恋愛”は何かと批判されがちだが、問題はあるのか。「ABEMA Prime」では、当事者=34歳差夫婦/塩崎裕さん(67)、潤雅さん(33)と恋愛学の専門家と一緒に考えた。


 妻の潤雅(ゆな)さんは2010年、夫・裕(ゆたか)さんが副学院長を務める音楽系の専門学校に入学し、先生だった裕さんに一目惚れ。当時、裕さんは既婚者だったが、2020年に離婚し、潤雅さんが猛アプローチ。交際がスタートし、2022年2月に結婚した。現在は妊娠8カ月だ。そもそもどんなところに惹かれたのだろうか。

「余裕があったというか、周りを気にせず自分のペースでやっているところに魅力を感じた」(潤雅さん)

 先生と学生という関係はどのように変化したのか。

「その後も音楽関係の仕事はずっとしていた。私もシンガーソングライターとして活動していきたいということで、関西の音楽業界のことを教えてもらったり、オリジナルソングのアレンジをしてもらったり、仕事上のちょっと怖い上司のような関係になった。だから定期的に会うこともあった」(潤雅さん)

 一方、裕さんは、潤雅さんに魅力を感じた経緯について次のように語る。

「当時は大勢いる生徒の中の一人だった。でも、結構独創的な感覚を持っていて、オリジナルソングもすごく面白いものを作るなと思っていた。その後2人で一緒にいろいろやるなかで、独創的だが古風な部分も持っているところが魅力かなと思った」(裕さん)

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 裕さんは潤雅さんの両親よりも年上。周囲の反応はどうだったのだろうか。

「両親は入学式や卒業式で来ていたので。見ず知らずの人を連れてこられるより、知っている人でしかも先生という信頼感はあったと(両親は)言ってくれている」(潤雅さん)

 一方で、裕さんの娘は、潤雅さんよりも年上だ。

「別にそれも違和感は何もない。実際に2人でやっているライブにウチの娘が見に来たりもしていた」(裕さん)

 こうした歳の差婚の実情について、恋愛学が専門の早稲田大学国際教養学部教授・森川友義氏は、「(“超歳の差婚”夫婦は)特別な方たちと思うかもしれないが、いま急激に増えている。50歳以上で結婚する“シニア婚”は、1964年の東京五輪当時で全体の0.6%だったが、今は3.2%まで上がっている。こういう素敵なカップルがたくさんいることを知ってほしい」と話す。

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 なぜ歳の差婚が増えているのだろうか。

 森川教授は、「平均寿命が延び、50歳における生涯未婚率は男性で28%くらい、女性で18%。したがって当然、それから恋愛する人たちが増えている」と分析。

 また、「子どもを産む年齢が上がり、(産まれた)赤ちゃんが、年齢が高い父母を見ているため、年上に抵抗感がなくなっているという心理学の論文もある」(森川教授)という。

 年齢差があることで、場合によっては「財産目当てでは?」と言われるケースもあるだろう。

 この点について森川教授は、「(状況は)変わりつつある。例えばインターネットで知り合って結婚するケースも10年前はほとんどなかった。ところが現在は全結婚の18%を占めている。それと全く同じようなことがこれから起こると思う」と予測する。

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 番組に登場した“超歳の差婚”の夫・裕さんは次のように語る。

「(産まれてくる子どもが)20歳になるまでは生きたいなと思っているが、2人ともミュージシャンで芸術家志向、好き放題生きてきた。やっぱり自分の子どもにも好きに生きてもらいたいので、その部分はできるだけ自由に考えて生きてもらいたいなと思っている」

 最後に、裕さんは「あまり垣根を作らない。どんな年齢だとしても、やはりどこかピンと来て、この人ならばと思う人と話して、価値観も含めて共有していくことで、その先に進んでいけると思う。我々のようなカップルが世の中にいるなら、もっと堂々と世の中に出て行って手を繋いで歩いてほしい」と語った。(『ABEMA Prime』より)
 

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