アガるべきか、ツモに賭けるか。平素ではありえない“見逃し”は、レギュラーシーズン最終戦ならでは。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2022-23」3月20日の第2試合で、U-NEXT Pirates・瑞原明奈（最高位戦）が個人MVPの可能性を追い、打たれたロン牌を見逃し。この決断に視聴者から大きな反響が寄せられた。
KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗（連盟）とわずか0.8ポイント差で迎えた最終戦。南4局、ラス目の瑞原は2着の伊達と1万1100点差。瑞原は6巡目にリーチ。跳満をアガらなければならない瑞原は、セガサミーフェニックス・魚谷侑未（連盟）から打たれた6筒に対してスルー。実況の日吉辰哉（連盟）は「瑞原手を倒さない！ツモは後2回！最後は自分のために！」と絶叫だ。
ロンをかけても裏ドラ2枚が乗れば逆転する。しかし瑞原はその可能性よりも自らツモって裏ドラもしくはハイテイ、もしくは親のTEAM雷電・本田朋広（連盟）が連荘することを期待し、決着を次局に持ち越す方針とした。この決断に視聴者からは「ミラクル来い！」「これはすごい」「これで引いたらエグい」「はいていならドラマよ。漫画以上やわ」と多くのコメントが寄せられた。
結果は流局、本田はテンパイできずゲーム終了。瑞原の決死の見逃しも実らず、伊達が個人暫定首位で21日に行われる最終戦の結果を待つことになった。インタビューで瑞原は「6筒でアガるかどうか問題、めちゃくちゃ難しいなと。1つは（ロンで）裏裏だと条件を満たすので、3種類2枚の牌があるので、このラスト2回でツモれる確率と、裏裏の確率どっちが高いのか。ツモっても裏1条件なんですが、残り2回のツモ番のうち最後のツモ番はハイテイで無条件。本田さんがまだテンパイをする可能性もあって」と、究極の選択で悩んでいたことを説明した。さらに「チーム戦でこれからも続く戦いを思うと、魚谷さんが6筒を切ったってことはテンパイノーテンで変わらない。だったらアガっておいて、3着になっておくべきなのかというところで、難しかったです」チーム戦と自己のタイトルのはざまで悩んでいたことも付け加えた。
最後にファンに対して「申し訳ないです！」と詫びた瑞原。しかしその選択は、間違いなく試合を盛り上げた。熱闘を終えた瑞原にファンからは「まぁ普通ねらうやろ」「仕方ないよご苦労様」「いい試合やったよ。ほんとに」「でも、瑞原がいなかったらって思うと背筋が凍るわ」など、ねぎらいの言葉がかけられていた。
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合（全188試合）。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各20試合・全30試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（16試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
