「そろそろYouTubeなどの動画見ながらラーメンを食べる『ながら食い』禁止にしようかな※のびて劣化するラーメンに限る」
16日にこうツイートしたのは、東京・高田馬場に店を構える博多ラーメン「でぶちゃん」店主の甲斐康太さん。「高菜やコショウなどの薬味にiPhone立てかけてYouTubeに集中してラーメンそっちのけ。そして満席で待ちのお客さんがいる。完全にNGだし、ご遠慮を申し出てもキレられる意味はわからん」と訴え、“ながら食い”禁止を決断した。
この投稿にTwitterでは「マナー悪いし禁止でいいと思う」「待ってる人にも店にも失礼」という賛成の声の一方で、「ラーメンは昔からマンガを読みながら食べる定番」「行列店は店員からの圧が強くて苦手」と疑問の声もあがっている。
“ながら食べ”禁止の是非について、20日の『ABEMA Prime』で甲斐さんを交えて議論した。
「“ながら食い”をしているお客さんだけではなく、待っているお客さんを含めた全体を見てよくないと思う。『待っている方がいるのでご協力いただけないでしょうか?』とお伝えするが、それを言われたくないことも理解はしている」という甲斐さん。
反響は賛否ともに多く寄せられたそうで、「最初のツイートの文面だけだと情報が足りないのは反省点。ただ、全面的に禁止ということではなく、状況によりけり。食事の時間を楽しんでいただくのは良いことだが、他の方もいる時は考えていただきたいというのが本音だ」と話す。
ツイート後も“ながら食べ”をする客はいるという。「2日後ぐらいにかなり低姿勢でお伝えしたのが1件あったが、それでも怒って帰ってしまった。だから伝え方の問題ではないと思う。本質はたぶん、飲食店側がお客さんにNOを提示するのがアリかナシか。でも、寝ちゃったり脱ぎ出したりするお客さんには言わなくてはならず、必要なケースはある」。
ネットの口コミサイトには低評価も付けられていたというが、客足に影響はないのか。「売上が下がるということはない。むしろ、昨日は過去最高から2番目の売上が出ているくらいだ」と明かした。
■店が客を選ぶのはアリ? 出演者の意見は
タレントの山崎玲奈は「用意された薬味や備品にスマホを立てかけたり、だらだら食べているのはよくないと思う。ただ、私みたいに食べるのが遅かったり、仕事上ニュースを見ながら急いで食べる人もいる。全部を否定されると苦しい。お客さんがお店を選ぶように、お店側も嫌なお客さんを拒む権利はあると思うので、ドアなどに注意書きを貼っておいて、お客さんは自分が該当しそうであれば他のお店に行けばいいのでは」とコメント。
作家の乙武洋匡は「店側が“ながら食べ”禁止を設定するのはアリだが、店が客を選ぶのはアリかという議論はちょっと飛躍している。そこは客側が態度や属性を変える・選択することができるかが大事で、Twitterで話題になった『外国人お断り』『車いすお断り』みたいに変えられない属性で客を選ぶのはナシだと思う」との考えを述べる。
制度アナリストの宇佐美典也は「スマホに集中しているとは自分の空間に入ってしまうので、周りへの配慮が効かなくなるという面はあると思う。先日、雨の日にタクシー待ちをしていた時、傘を持っていない人が濡れている前で、屋根の下で動画を見ている人がいた。さすがに見ていられず『すみません。後ろの人、傘ないんです』と言ったら、みんな詰めてくれた。周りに配慮することと、あとは言い方の問題だ。僕も1人でご飯を食べる時はスマホに逃げ込んで孤独を隠すが、そこを突かれるとイラッとすると思う。なので、『たまに周りを見ましょうね』くらいの感じがいいのではないか」と実体験から提案。
フリーアナウンサーの柴田阿弥は「店がルールを決めるのは、差別や非人道的でなければ自由だと思う。気になるのは、スマホを見ながら食べるのは『失礼だ』とか、『魂を込めて作っているんだ』というお気持ちの部分。それは人それぞれの価値観だし、仕事上がりにYouTubeを見ながら食べるラーメンが至福だとか、伸びた麺が好きだという人もいる。反響が大きかったのは、ラーメン店の独自ルールにフラストレーションが溜まっている人が多くて、それがお気持ち寄りだからなのでは?だから、『混んでいる時は早めの退店をお願いします』という合理的な内容にして、店の外や中に掲示しておくだけでいいと思う」と述べた。(『ABEMA Prime』より)
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