バルセロナやヴィッセル神戸などでプレーしたボージャン・クルキッチが、23日に『カンプ・ノウ』で現役を引退することを発表した。
1990年8月28日生まれのボージャンは現在32歳。ラ・マシアでは通算800得点以上を記録するなど、バルセロナの“神童”と謳われてきた同選手は、2007年に16歳の若さでトップチーム昇格を果たした。1年目からラ・リーガで10ゴールを挙げ、クラブ史上最年少得点記録も更新。2008年9月にスペイン代表デビューを飾り、2011年3月にはクラブ史上最年少でラ・リーガ通算100試合出場を成し遂げるなど、スター街道を駆け上がっていった。
しかし、バルセロナで徐々にプレータイムを失いつつあった同選手は、2011年夏にローマへとレンタル移籍すると、これを皮切りに各国のクラブを転々とするキャリアを辿る。2012年夏はミランに、2013年夏からはアヤックスにそれぞれローンを繰り返す。2014年夏にはバルセロナを退団し、ストークへと完全移籍。その後はマインツ、アラベス、モントリオールと渡り歩き、2021年夏にヴィッセル神戸に加入するものの、負傷に悩まされる日々が続き、在籍1年半で明治安田生命J1リーグ通算19試合の出場にとどまっていた。
昨年末に、ヴィッセル神戸を退団して以降は無所属となっていたボージャンは23日、キャリアの始発地である『カンプ・ノウ』で現役を引退することを発表。バルセロナのジョアン・ラポルタ会長やジェラール・ピケ氏らが見守る中で、自身の旅路を振り返った。
「8歳の時、バルセロナでプレーすることを夢見て、この場所に挑戦した。すべてはここから始まった。僕の家であり、家族だ。僕は32歳でプロ選手としての時間を終えることを、それを発表できることを誇りに思う。自分が経験したことにありがとうと伝えたい。タイトルを獲得した。偉大な選手たちともプレーした。何より、バルセロナでプレーしたことは、充実感で一杯にしてくれる」
「人生とはステージの連続だ。自分自身に正直でなければならないし、その時が来た。だからこのステージに終止符を打つよ。肉体的な問題ではない。私は新しいことを始めるにあたって、とてもワクワクしている」
「このような決断は簡単ではない。私は12年間も家から離れていたからね。でもそれを、名誉なことだと感じている。充実感にも包まれている。だから新たなステージは、家族の近くで楽しみたかったんだ。フットボールと向き合い、そしてフットボールよりも他のことに熱意と野心があることを受け入れた今が、その時なのだと思う」