森保一監督率いる日本代表は28日、コロンビア代表とキリンチャレンジカップ2023を戦い、3分にFW三笘薫の得点で先制するも1-2で逆転負けを喫した。24日に行われたウルグアイ戦(1-1)に続いて、新生・森保ジャパンの初勝利とはならなかった。
この試合は、得点を決めた三笘と左サイドで相棒を組んだDFバングーナガンデ佳史扶がA代表デビューを果たし、南米の強豪コロンビアに対し攻守ともに堂々たるプレーを見せた。
【映像】A代表デビューのバングーナガンデ佳史が三笘薫と左サイドで連係
長友の後継DF・バングーナガンデ佳史扶がA代表デビュー
バングーナガンデ佳史扶は、今季所属するFC東京でJ1リーグ5試合全てに左サイドバックで先発出場し安定したプレーを見せている。FC東京の左サイドバックには長年、日本代表を支えてきたDF長友佑都も所属しているが、ポジション争いに勝ち抜き、それが森保監督にも評価されたことが今回の代表初招集につながった。代表での背番号は長友と同じ「5」を受け継ぎ、先述した通り、8日のコロンビア戦で左サイドバックとしてA代表デビューを果たした。
長友からは今季のキャンプで「オレは21歳で代表に入ったから佳史扶も今年入らなきゃな」と言われていた。その目論見通り、21歳6か月で代表デビューを飾るとともに、長友より2カ月早く、代表ユニフォームに袖を通して、長友との“約束”を果たした。
選出時には、長友もSNSで「カシーフ代表選出おめでとう!代表定着できるようにアピールしてこい!応援しているぞ!」とエールを送るなど、両者の絆は先輩後輩以上のものがありそうだ。
FW三笘薫との縦関係で役割を果たす
この若き左サイドバックは、左WGの三笘薫との縦関係でアピールした。コロンビア相手に果敢なスライディングでボールを奪うなど守備で貢献しただけでなく、三笘が中に入れば外を駆け上がり相手陣地に侵入。逆に三笘が外に張っている時は、中や斜め後ろから効果的な距離感を保ちながらフォローをする形で、プレミアリーグを席巻するWGと連係しながら積極的な攻撃参加を見せた。
三笘も試合後「彼の特徴を生かそうとなるべく高い位置を取ってもらおうと指示していましたし、関係性は良かったと思う」とコメントし、21歳のDFとの連係に手応えを感じたようだ。
さらなる成長を期す新生ジャパンの左SB
バングーナガンデ佳史扶は試合前の練習終了後に三笘らの会話に自ら加わっていくなど、積極的に交流を図っており、と同時に勉強熱心な一面を見せていた。そうしたコミュニケーションや振る舞いが代表デビュー戦という緊張感ある試合でも堂々としたプレーにつながっていたのかもしれない。
試合後のコメントでは「肌で感じた強度をチーム(FC東京)に持ち帰って、もっと強くなって、次に選ばれた時にはしっかり結果を出せるように、今から準備していきたい」と、早くも次を見据えている。そしてさらに逆転負けしたことに対しは「前半から前に押し込んだところで、なかなかチームとしても自分のプレーの魅力を発揮できなかったことがすごく悔しい。なんと言っても勝ちきれなかったことが一番悔しい」と語るなど、今後の成長にも期待できる言葉を残した。
バングーナガンデ佳史扶はこの試合、59分に足を痛めて負傷交代しており、本人は「今から検査ですけど大丈夫だと思います」と語り、足早に検査へと向かった。代表定着に向けてアピールに成功した男の怪我が大事に至らないことを願うばかりだ。
(C)浦正弘(ABEMA/キリンチャレンジカップ2023)