WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でMVPを獲得した大谷翔平選手のメンタルづくりや強さを精神科医が絶賛。さらに、“大谷メンタル”に育てるうえで大切な「OK・NGワード」を紹介した。
メジャーリーグ・エンゼルス所属の大谷翔平選手が31日、2年連続で開幕投手を務め、3番DH兼投手として出場。
大谷選手のメンタルの強さを、精神科医の木村好珠氏はどう見ているのか。
「大谷選手は“マンダラチャート(大元となる目標を明確にし、それを達成するための具体的な項目を可視化したフレームワーク)”が有名。あれを見てわかるように、目標設定や言語化能力に長けている。小さい頃から悩むのではなく、考える。何か事象が起きた時に『どうしよう』と止まらずに、『じゃあどうすれいいのだろう』というところまでしっかりと考えられている。それを昔からやることで、良い時は再現性を高められるし、悪い時には改善策を考えられるので、常に平常心を保つ・整えることができている」(木村氏、以下同)
悩むことと考えることはどう違うのか。
「“悩む”は、何か起きた時に悪い方向へ思考がどんどん働く。“考える”は、何か起きた時に『どうしよう』までは一緒。しかし、『どうやって解決したらいいんだろう』までいく。まず“今”をしっかり言語化して、その後に改善策を自分で考えている」
メジャーに行ってから、大谷選手は“表現方法”にも変化があったという。
「日本ハムファイターズ時代とメジャーに行ってからでは、表現方法がかなり変わった。WBCを見ていても、頭を抱えて『うわぁ』と体全体で表現している。技術だけでなく、アメリカの文化にしっかり馴染もうとしていた」
木村氏は、環境に馴染むことは良いメンタルづくりに関係してくると推測。
「チームスポーツなので、チームに馴染むことがすごく重要。馴染めるとチーム全体の雰囲気もよくなるし、自分も居心地がよくなっていいプレイができる。なので、大谷選手は環境づくりも含めた野球に対するあらゆる努力をすることで、メンタルにも結果にも繋がった」
大谷選手のメンタルづくりの姿勢も絶賛。
「ドキドキや不安とかだけではなくて、それをしっかり整える部分までをメンタルという。自分が安定するような環境や行動、あらゆることを含めて、自分のメンタルづくりをしていることが素晴らしい」
大谷選手のようなメンタルを持つにはどうしたらいいのか。
「子どもに対してはどうしても『あれしなさい』『これしちゃダメでしょ』という声がけが多くなってしまう。そうではなく、『こういう時どうする?』『何がやりたい?』 などと、決めつけない 声がけをすることがすごく大切」
大谷選手はなぜ環境に慣れるための努力ができるのか。
「やっぱり“好き”という気持ちがすごく大切。小さいころに自分が好きだったものへの感情を、『それはしちゃダメ』『それは無理』と抑えるのではなく、存分に尊重してあげる。途中でやめてもいいから、とにかく好きなことをやってみることが大谷選手への一歩かなと思う」
木村氏は、大人も何かが上手くいかない時に、課題を明確にするための言語化能力を磨くことが大切だという。
「大人になると、『好きな気持ちだけではどうしようもない』と考えがちだが、好きという気持ちも大事にしてほしい。何かにつまずくことがあっても、『もうダメだ』と諦めるのではなく『今自分にできることはないか』と考えてほしい」
(『ABEMAヒルズ』より)
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