「有名アイドルのデビューライブ、その現場にいた」「後世に語り継がれる伝説の試合を生観戦した」そんな記録をデジタルで残し、「証拠」にする。
そんなことが可能になる「来場証明NFT」という最新技術がある。“推し活”の新たなスタンダードとなるのか、サービスを手がける会社の代表に話を聞いた。
【映像】デジタルな“推し活ツール”? 世界に一つだけの来場証明書
「来場証明NFTは電子チケットなど連動し『そのイベントに行きました』という証明書をデジタル上で発行するサービス」
こう話すのは、電子チケットなどのサービスを手がける「プレイグラウンド株式会社」の伊藤圭史代表。2022年から始めた「来場証明NFT」とは、顔認証の技術を活用して、イベントなどの入場時、参加者の来場証明となるNFTを発行するサービス。世界に一つだけの来場証明書を取得することができるという。
「野球だと、佐々木朗希選手の“完全試合”などだ。達成の瞬間を生で目撃したとして、今まではチケットを保管するくらいしか“自分がいた証明”はできなかったと思う。しかし、(来場証明NFTがあれば)スマホを取り出して語れるようになる」
すでに北海道のバレーボールチーム「ヴォレアス北海道」や、プロ野球「福岡ソフトバンクホークス」などの国内スポーツチームと提携して「来場証明NFT」を展開しているという。伊藤代表は、この来場証明NFTによって「ファンとチームに新たな関係が生まれている」と話す。
「選手やアーティスト・スタッフが提供するだけでなく、ファンも一緒になって『みんなでアーティストの体験を作っていくんだ』『みんなで一つの王国を作っていくんだ』という意味で、この共創関係を『ファンダム(FanのKingdom)』と呼んでいる」
また、伊藤代表は「来場証明NFTはアイドルなどの“エンタメ分野”との親和性が高いのではないか」と語る。来場記録が可視化されることで、それに応じた限定グッズを発売したり、限定イベントに招待したり、新たなファンビジネスとしての可能性も秘めているという。
「AKB48や乃木坂46の最初のライブに行った人は(ファンの間で)伝説になっている。『初期からファンなんだ』という証明にもなるので、“推し活ツール”にもなるのではないか」
こうした中、伊藤代表は少なからず課題もあると指摘。それは、世界的な取引量の減少に伴う、NFTに対する関心の薄れ。そして、ファンと企業側のNFTへの理解度だという。
まさに“新時代の推し活”となりえる「来場証明NFT」。伊藤代表は、今後について「国内のみならず、海外にもマーケットを拡大していきたい」と力強く述べた。
「推し活を促進するツールとしてぜひ活用していただきたい。そして、良い日本文化としてグローバルでも展開していきたいなと思っている」
推し活の新たなツールに。『ABEMAヒルズ』番組キャスターで元SKE48の柴田阿弥は「握手券やイベントに参加した回数を手作業で記録している人もいる」として期待を明かした。
「ポイントカードのようにデジタル化されて自動でカウントできればすごく便利だ。やはり手作業で保存するのは大変な量になる。思い出がデジタルで蓄積できるということで無くなる心配や手間も少なくなる。デジタル技術の進化で今後の推し活に変化があるのかもしれない。
ファンの熱量、楽しんでもらえる要素をより多くしていくことは市場の拡大にも繋がっていくのではないか」
(『ABEMAヒルズ』より)
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