大量の汗が噴き出る環境化で、棋士としての粘り強さを見た?将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」で、今回から新設される個人賞の候補者を予想する特別番組が4月5日に放送された。個人賞5部門のうち「敢闘賞」は、大会初参加の棋士の中でも、最も活躍した棋士に贈られるもの。予想はこれから決まるエントリーチームを除く14チームで行われたが、大会初参加は7人。すると将棋好き芸人として知られるサバンナ高橋茂雄が名前を出したのは新鋭・岡部怜央四段(23)。しかも予想の理由は一緒に入ったサウナでの経験からだった。
苦しいところでどれだけ踏ん張れるかは、将棋に限らず勝負師として非常に大きな要素。耐えた先にある勝利は、過酷な状況にも辛抱できる者にしか得られない。将棋番組にもレギュラー出演し、棋士・女流棋士の知人も多い高橋は、過去に自身の別荘に岡部四段のほか、渡辺明名人(38)、戸辺誠七段(36)、斎藤明日斗五段(24)を招いた時のエピソードを紹介し始めた。「岡部先生といえば趣味がサウナで、一緒に入ったことがあるんですよ。入りこなしが、10分を過ぎてからまだ2分粘るみたいな。そんな粘り腰を見せて、相当強い」と、サウナ通の高橋らしい視点で岡部四段の忍耐を見抜いた。
耐える心は、サウナ後にも見られたという。高橋と棋士らはサウナで整った後、宴会を開いたが、他の棋士がそのまま別荘に泊まるところ、岡部四段は深夜ながら2時間かけて帰ったという。理由を聞くと「早朝から永瀬(拓矢)先生と研究会があるからと。すごいガッツですよね」とびっくり。人付き合いのよさと棋力の高さから、実力者たちが集まる研究会に頻繁に顔を出していることもあり、今大会の台風の目となる確率は高そうだ。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。